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マーラーの交響曲第7番 ホ短調「夜の歌」 ハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ管

夜が長い季節です。
そこで今日は大曲を。

マーラーの交響曲第7番 ホ短調「夜の歌」。
ベルナルト・ハイティンク指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管の演奏。
1982年12月、コンセルトヘボウでのデジタル録音。フィリップス盤。

ハイティンクが巨匠の道を歩み始めたことを実感させた1枚。
落ち着いたテンポと深々としたフレージングでマーラーのロマンを歌い尽くすのだが、情感に溺れず、ドロドロせずに、終始、端正なマーラーを描き出してゆく。いわば、正攻法のマーラー。
構成も見事なもので、この長大な交響曲を美しくまとめ上げてゆく。弛緩するところなど全くない。ハイティンクがいよいよその本領、並々ならぬ実力をを発揮していった演奏と云うべきか。

この時期ハイティンクはアムステルダム・コンセルトヘボウ管とマーラーのデジタル再録音に取り組み、4番とこの7番が実際に発売された。同じコンビでブルックナーも再録音が進み、7~9番が発売されたと思う。やがて、このACOとのマーラー・ブルックナーのプロジェクトは中断し(というか初めから全集再録音の計画はなかったのかな?)、新しくベルリン・フィルとウィーン・フィルでの録音が始まった。
ところがこれもやはり中断、BPOとのマーラーは1~7番まで、VPOとのブルックナーは3~5・8番で終わってしまった。残念だなぁ・・・。

特にACOとのマーラー再録音は録音状態が最高で、今も十分存在感がある。残響豊かで、音色はほの暗く木質、何より響きが暖かく柔らかい。イヤ、もうたまらない心地よさ。そして、この暖かさはその後のBPOとの再録音にはなかったもので、今聴くと、ホンマに貴重だなぁと思う(この柔らかさ・暖かさは、シャイーになってからはあまり前面に出てこなくなっただけに・・・)。

第1楽章はゆったりとしたテンポで、慌てず急がず、大らかに構えて進めてゆく。スケール雄大というわけではないのだが、音楽の内実を丁寧に描き出そうとしたら、テンポが遅くなっていったという感じ。その音楽は、誠実で端正、嫌みがない。

第2楽章の夜曲Ⅰも、深々としたフレージングが印象的。大変心地よい聴感。楽器のバランスも良く、あたかもホールの最上席で聴いているような気分になってゆく。
(僕はコンセルトヘボウに行ったことがないので、偉そうなことは云えないんですが(^^ゞ)

第3楽章は妖しげなところがよく出ている。魑魅魍魎とは云わないが、マーラーの妖しさ、すなわちオーケストレーションの妙味がよく出ていると思う。

第4楽章夜曲Ⅱは、夢幻的な音響が印象的。柔らかい弦楽セクションが素晴らしい。

そして、フィナーレの圧倒的なパワー。堂々たる終曲。「夜」から離れた、陽光白日の音楽。ただし、派手にならない、ギンギラ・サウンドにならないのがハイティンクの品であり、コンセルトヘボウ管の響きの上質さだろう。

フィリップスの見事な録音で、ホンマに素晴らしいです。
音場広大、奥行き深く、定位良い。楽器の位置の高低まで見えてくる感じ。
ダイナミック・レンジも大きく、ホールトーンも豊かなので最高の臨場感であります。
ホールの最上席でもこんなエエ音するかいな・・・とは褒めすぎでしょうか?

ところで、この7番と4番、今現役盤ですか?
廃盤であるなら、すぐにでも復活させて欲しい名演・名録音と思っております。

※ハイティンクの録音 いくつか自己リンクしてみました
■マーラーの「巨人」(ベルリン・フィル)
■マーラーの交響曲第4番(アムステルダム・コンセルトヘボウ管とののデジタル再録音盤)
■マーラーの「復活」(ベルリン・フィル)
■ブルックナーの「ロマンティック」(ウィーン・フィル)
■ブルックナーの交響曲第5番(ウィーン・フィル)
■ブルックナーの交響曲第7番(コンセルトヘボウ管との再録音盤)
■ブルックナーの交響曲第9番(コンセルトヘボウ管との再録音盤)


AUTHOR: ひろはや DATE: 12/28/2007 07:26:05 おはようございます。
ハイティンクのマーラー「第7番:夜の歌」は、ACOとの69年盤と85年盤(クリスマスマチネ)、ベルリンフィルとの92年盤は手元にあるのですが、今回の82年盤は未聴です。大変残念です。
廃盤になっているのでしょうか。
以前、マーラー「第4番」(82年盤)をmozart1889さまのお陰でオークションで手に入れることが出来ましたが、同じように出来ないものかなあと思ったりしています。
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コメント

今晩は、ハイティンクの4番・7番は廃盤のようです。廉価盤で再発売して欲しいです。4番は発売当時、ムード音楽のようだ、と厳しい評論を記憶していますが、聴いてみたいです。ノイマン盤はゲヴァントハウスO(1968)
の方を愛聴しております。現代的なキレは、無いのですが、ノイマン・ゲヴァントハウスのコンビは、聴いていてホッとします。(ブルックナーの1番もありました。)

>ひろはや 様
おはようございます。いつもお世話になります。感謝です。
ハイティンク/ACOの再録音盤の「夜の歌」、どうも廃盤のようでして、オークションなどでこまめに探すか、中古ショップに出てくるのを待つか・・・・という手だと思います。残念ですね。是非、蘭フィリップスにはDUOシリーズの廉価盤CD2枚組で再発して欲しいところです。
再発して欲しいのは、ハイティンク/BPOでの6番・7番、これも廃盤で入手できません。先日オークションにBPOとの7番が出ていたんですが、6000円程度の落札でした。欲しい人は欲しいんですね・・・・・・僕も欲しいんですが(^^ゞ 
というわけで、BPOとの92年盤をお持ちの、ひろはやさん、羨ましいです(^^)V

>猫よしお 様
おはようございます。いつもお世話になります。
ノイマンの7番は3種類ありますね。どれも聴いたことがないんです。チェコ・フィルとの2枚は手に入りそうですが、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管との演奏はさて・・・・・。ブリリアントの激安ボックス・マーラー全集にはノイマン/LGOのマーラーが5番と9番で入っています。イイ演奏でした。7番もと期待したんですが、こちらはマズアの指揮でした(^^ゞ。
いつか聴いてみたいと思っています。
有り難うございました。

>タカ 様
おはようございます。コメントを有り難うございました。
同好の方がいらしてくれて、嬉しいです!これ、ホンマにACOの最高の録音じゃないかと思っています。是非再発して欲しいですね。
クリスマスマチネ盤も良かったです。大好きなCDです。
そうそう、そしてこのコンビで3番や9番を再録音して欲しかったです・・・・・どんな音響で鳴るんでしょう・・・・・・きっとふくよかで暖かい、そして瑞々しい音が溢れて・・・・・ああ、想像しただけでたまらんです(^。^)

>ドレドレ 様
おはようございます。いつもお世話になります。
廃盤、残念ですね。フィリップスにはDUOシリーズで是非再発して欲しいところです。
ノイマンがライプツィヒ・ゲヴァントハウス管を振った演奏は5番と9番を持っています。自然な無理のないマーラーで滋味深い演奏でした。そうですか、やはり7番もエエですか・・・・・・聴いてみたいです。
有り難うございました。

いろいろ想い出深いディスクです。BPO盤との比較でしたら私は断然こちらを支持します。輸入版で購入したのが87年頃。数年後、スペーサーとして使われていたスポンジが”ぴとっ”とCDに付着してしまい、冷や汗を流しながら除去したのを覚えています。いまでもレーベル面にポツポツっとした痕跡が残っていますが、そのうち剥がれてこないかとヒヤヒヤしています。
この盤以後、インバルやら最近のマーツアルやら、この名盤をさらに上回るような出来のディスクにも何枚か出合ってはいますが、私に「夜の歌」へのゲートを開けてくれたのは紛れも無くこの録音でした。

こんばんは。
ハイティンクのマーラー7番は、3種類とも好感の持てる良い演奏だと思います。フィリップスの好録音とあいまって是非手元に置きたいと思う演奏です。
でも、聴く時間だけでも大変ですね・・・。
最近では、アバド&ルツェルンの演奏が愛聴盤です。

ハイティンクは、衒いのない誠実な人柄そのもののが音楽となっておって好感がもてますのう。力むことなく単に振るだけで自然と名演が生まれているような気がするわ。ユダヤ系指揮者に名演が多いマーラーの交響曲においては異色の存在かも。
アメリカ生活の影響かもしれんがわしは7番もジミーをよく聴きましたな。強音を誇るシカゴ響をしっとりと美しく響かせておりますわ。
とにかく、TVのクラシック番組にいつも登場するのはジミー、ドミンゴ、ベヴァリー・シルズ、マリリン・ホーン、フォン・シュターデ。日本では想像できんような人気ぶりでしたな。まさに処変れば品変るじゃ。シルズも今年亡くなったが、あのとびっきり素晴らしい笑顔と底抜けに明るい笑い声が強烈に心に残っておる。

>花岡ジッタ 様
おはようございます。コメントを有り難うございました。
花岡さんもハイティンク/ACO盤に思いが深いんですね。僕も大好きな演奏で、今聴くと、当時のマーラー・ブームが蘇ってくるような気がします。もちろん、ハイティンク盤はそんな上っ面のものとは無縁の素晴らしい演奏でした。
インバル盤は素晴らしいですね。マーツァル盤もエエんですか・・・・これは聴いてみなくちゃアカンですね(^。^)

それにしてもあのスポンジ、僕も弱りました、まさか腐ってボロボロになったり張り付いてしまうとは思わなかったですから・・・・・。カラヤン/BPOの「カルメン」はダメになりました。CD当時のオペラ箱物には必ずスポンジが入っていました・・・・・。

>あるべりっひ 様
おはようございます。コメントを有り難うございました。
アバド/ルツェルンは未聴なんです。アバドのBPOとの再録音盤は素晴らしい出来でしたので、期待できそうですね。探してみなくちゃ・・・・。
ハイティンクの誠実な演奏は大好きです。しかし、時間はかかりますね・・・・・・(^^ゞ
残念なのはハイティンク/BPO盤が廃盤で入手できないことです。いや、オークションなどでは出ているんですが、ちと高価で・・・・・手が出ません。

>峠茶屋の爺 様
おはようございます。コメントを有り難うございました。
なるほど、アメリカでの人気アーティスト、日本とは違いますね。
ジミーというのは、ジェームズ/レヴァインですか。彼のマーラーは少しずつ手元に集まってきました。今1・4・5・7・9番の交響曲があります。明るくて爽快なマーラーですね。それに歌もあります。7番などもとても耳になじむ演奏と思いました。9番は出色ですね。フィラデルフィア管の響きも素晴らしいです。
ベバリー・シルズやマリリン・ホーン、懐かしいです。

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