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ベートーヴェンの交響曲第5番 ハ短調 「運命」 フリッチャイ/ベルリン・フィル

秋風は涼しいものの、日差しは強い一日でした。
10月になっても、紫外線は強力です。気温も30度近くまで上がります。

さて、今日も泰西名曲を聴いております。

ベートーヴェンの交響曲第5番 ハ短調 作品67「運命」。
フェレンツ・フリッチャイ指揮ベルリン・フィルの演奏。
1961年9月、ベルリンでの録音。DG盤。

1961年12月、宿痾の病によって指揮活動を断念したフリッチャイの最晩年の録音。
ハンガリー出身のフリッチャイが、これ以上ドイツ的な演奏が出来ようかと思えるほど、素晴らしい伝統の(そして、実にフリッチャイ的な!)名演を聴かせてくれる。賭が家のない1枚。

第1楽章、腰の据わった、堂々たる開始。「運命」がゆっくりと戸を叩いている。その音の重心が低く、浮ついたところがない。
響きは全く伝統的なドイツ風。表面的な輝きとは無縁、内実を聴けとばかりに、丹誠込めて作り上げた職人技のような演奏。いや、「技」と言うより、内面の発露か。こうとしか表現できないという切羽詰まった迫力がある。
リズムの刻みは精確で、ゴツゴツした感じの進行。流麗感はあまりなく、無骨で野暮ったい感じさえするが、ああ、ベートーヴェンかの人も姿格好は野暮ったい人だった。
上っ面など関係ない、中身で勝負よ・・・・この演奏はそう語っている。

そう思うと、第2楽章のアンダンテ・コン・モートのスケールの大きさ、堂々とした歩みにも合点がいく。テンポはさらに遅くなって、だからこそ、緊迫感がスゴイ。ゆったりとしたテンポでも、全くだれるところがないのが素晴らしい。
そして、聞こえくるはベートーヴェンの歌。精神の高貴な美しさが伝わってくるような歌。

第3楽章。低音部の弦楽が、不気味なほど深い。そしてコクのあるホルンの響きが実にイイ。フワフワしたところがない、ガッチリしたドイツのベートーヴェン。
そして第4楽章への移る部分のテンポの遅さ。恐ろしささえ感じさせる遅さ。

第4楽章は堂々たる王者の行進。勝利の凱歌。ベルリン・フィルのフルパワーが凄まじい。一気に音量が上がって、リスニング・ルームが震える。
金管の野趣溢れる響きは、後年のベルリン・フィルからは聞こえないものだ。まるで奔馬。「運命」のフィナーレはこのくらい荒れ狂って欲しい。未曾有の爆発だ。これぞドイツ精神の勝利。乾杯。


録音がまた素晴らしい。1961年といえば45年も昔の録音なのに、実に鮮明。素晴らしいです。
質実剛健、強靱なベルリン・フィルの響きが見事に蘇ります。
所要時間約39分。大変に長く遅い「運命」ですが、聴感上は、その長さを感じさせません。素晴らしい演奏であり、録音でした。
ありゃ、チト褒めすぎましたか?(^^ゞ


AUTHOR: 親父りゅう URL: http://blog.goo.ne.jp/lbrito/ DATE: 10/07/2007 09:03:12 昨日に続いて・・・おはようございます。
フリッチャイには、LP時代にヘリオードル廉価盤でお世話になりましたが、どれも切れ味鋭く、また重厚な名演ばかりで、一時かなりハマってました。
セルやライナーに通じる鋭いリズム感と、フルヴェンに通じるロマン的なアプローチの両方を兼ね備えているという印象でした。
この「運命」も然り。
それにしても当時のBPOの音は魅力的ですね。
そして、40歳台でこんな深々とした名演を成し遂げたフリッチャイって本当に凄い指揮者だったんですね。長生きしてたら・・・・と思わずには居られません。
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コメント

>親父りゅう 様
おはようございます。今日もコメントを有り難うございました。
フリッチャイの演奏、「運命」も「新世界」も感動的でした。

セルとフルトヴェングラーの両方・・・・・そうですね。リズムとロマンが高次元で止揚している感じです。
カラヤンに飼い慣らされる以前のゴツゴツしたBPOの音も魅力だと思います。今まであまりフリッチャイを聴いていないので、ボツボツ聴いていきたいと物色中です。
(カラヤンも僕は好きなんですが・・・音の傾向は明らかに違っていきましたね)

>よし 様
おはようございます。いつもお世話になります。
フリッチャイの演奏は重量級なんですが、冗長な感じがしません。スゴイ指揮者だなと思います。もう少し長生きしていたら、どんな演奏を遺したのだろう・・・・と思います。
ケルテスもそうですが、早死にした指揮者の晩年5年くらいの演奏は、凄いですね。ゾクゾクするような瞬間が、この「運命」にもありました。

>猫よしお 様
おはようございます。いつもお世話になります。
フリッチャイの演奏、ボツボツ聴いています。「新世界」に「悲愴」、モーツァルトの歌劇と宗教曲が素晴らしいですね。
BPOを振った演奏では、おっしゃるように、音が素晴らしいです。まさにドイツ的な重厚な響きで迫ってきます。
その迫力たるや、何とも云えない魅力です・・・・・・夭折が惜しまれますね。

こんばんは。

このベートーヴェンを聴くと、フリッチャイが真のドイツ音楽の語り部であったことがよくわかります。
大病をした後、達観した境地に入る人と、より彫りの深い方向に転じる人がいますが、フリッチャイは後者のように感じます。
本当に夭折が惜しまれます。

>romani 様
おはようございます。コメントとTBを有り難うございました。
フリッチャイは大病の後、本当に彫りの深い演奏を聴かせてくれました。
この「運命」の堂々たる歩み、腰の据わった響き、格別の名演と思います。
かえすがえすも、早世が惜しまれます。
あと5年の寿命があれば、どれだけの演奏を遺してくれたか・・・・と思います。

フリッチャイのベートーベン交響曲第5番「運命」

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遅めの夏休みも今日で終わり。
この1週間は、久しぶりにゆっくりした時間を過ごすことができました。
ふと外を見ると、にわかに雷の音とともに雨がぽつりぽつり。
さて、休み中に聴いた数多くのアルバムの中で、何を採りあげようか迷いました。クレンペラーのウィーンフィルボックスに収録されていた「運命」が凄い名演だったのでそれにしようかと考えていたところ、何気なく久しぶりに取り出したフリッチャイがあまりに素晴らしかったので、とりあえずフリッチャイの「運命」にしました。
クレンペラー&ウィーンフィルの「運命」は後...

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