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マーラーの交響曲第5番 嬰ハ短調 ラトル/ベルリン・フィル

日中の蒸し暑さには参りました。いやはや、10月にして半袖。
やはり、これ、異常気象なんでしょうな。たまらん一日でありました。

さて、今日はマーラーであります。

マーラーの交響曲第5番 嬰ハ短調。
サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルの演奏。
2002年9月7~10日、ベルリンのフィルハーモニーホールでのライヴ録音。
この秋に廉価盤で発売されたラトルのマーラー全集からの1枚。EMI盤。
ラトルがベルリン・フィルの首席に就任して、初の定期演奏会をライヴ収録したもの。

テンポが自在に伸縮し、ルバートが随所でかかる面白い演奏。全体的には瑞々しい表情が印象的で、べとつかないマーラーになっている。

第1楽章はテンポがよく変化して、ラトルが自在な解釈を見せる。
本来粘り強いマーラーの旋律を、ラトルは巧妙に処理してゆく。ゆったりとした感じなのだが、足取りが重くなることはない。
音楽の表情は一貫して爽やか。ベルリン・フィルのアンサンブルは良好で、音楽が淀みなく流れてゆく。ラトルの棒に敏感に反応して、テンポや響きが自然に変化してゆくのはさすがと思う。ピアニシモの部分では、ゾッとするほど美しい響きを聴かせてくれる。

第2楽章は、慟哭の歌・軋む音楽になるところなのだが(バーンスタインやテンシュテットで聴くときなど特に・・・・)、ラトルの棒で聴くと、滑らかで爽快な音楽になる。幾分素っ気ない感じもある。
これぞ現代のマーラー演奏、古典になったマーラーと云うべきなんだろうか。「マーラーの苦悩」からは遠い感じの演奏に聞こえる。

第3楽章は、なんといってもオブリガート・ホルン。指揮者の脇に立って、あたかもホルン協奏曲のように鳴る。音響的にも面白い試みと思う。とにかく、ホルンが前に出てきて朗々と鳴るのがイイ。
管楽器も全体的に好調で、トランペットやフルートなどは非常に美しいし、巧い。
響きは明晰でサラサラ系のマーラー。そして、どこまでも瑞々しいサウンド。清冽で澄み切ったサウンドは、聴いていて快感。

第4楽章は静謐そのもののアダージェット。これは大変美しい。
水面でキラキラと反射する光が少し柔らかくなって目に飛び込んでくるような、そんな輝きがこの楽章にはある。旋律は粘らず、淡々とした感じ。
所要時間は9分33秒。ネットリやらないのがラトル流なのだ。

フィナーレは、管楽器や弦楽器に現れるソロの響きが実に新鮮。フルートやオーボエがとても若々しく響いて、耳をそばだててしまった。今まで聴いたことがない音が、聞こえてくる。これ、ラトルの独特のバランス感覚のなせる技かな。
終曲に至るまで、フレッシュなサウンドが展開する快演。実に爽快なマーラーと思う。


録音が今一歩かなという気がします。
2002年の録音といえば、我が家では最新録音のCDになりますが、もうひとつヌケがスッキリしない感じ。
上々の録音なんですが、最新ならもう少し良くてもいいかな・・・というのはEMIでは無理なんでしょうかね。



AUTHOR: 猫よしお DATE: 10/05/2007 08:41:30 おはようございます。
ラトルのマーラーとしては素晴らしいと思います。
ただラトルがベルリン・フィルの機能を低下させたとは言いませんが
少なくとも洗練されし過ぎているような気がします。
フルトヴェングラー時代のドイツ的な美音は皆無ですから。
もっともベルリン・フィルの音が変わったのはカラヤン以降なので
もしもフリッチャイかチェリビダッケが常任になっていたら
ドイツ的な音は継承されていたことでしょう。
今思えばアバドとラトルは不適任だったのかも知れません。
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コメント

mozart1889さん、こんにちは。
マーラーは、あまりよく分からないのですが・・・
この交響曲第5番の第4楽章だけは、はっきり覚えていて、テレビやラジオで流れる度に何とも言えない心地よい気分になります。

最近買ったマーラーの5番は、クーベリック/バイエルン(Audite)です。
クーベリックはDG盤も持っているので、こういう演奏が好きなんでしょうね。

ラトルは実は1枚も持ってません。
評判の高いテンシュテットも同様。
どうもバーンスタインの呪縛からなかなか抜け出すことが出来ないようです。

ベルリンフィルのマーラーは、バルビローリの3番を先日入手しました。

アルマへの音楽の恋文だといわれるアダージェットはいつ聴いても陶酔してしまいますわ。
第9番は別格として、このアダージェットや第3番の最終楽章は、古今の交響曲のなかでも屈指の美しい旋律ですな。
晦渋な音楽の中にこのようにとてつもなく美しい旋律が現れるから、マーラーやブルックナーはやめられまへん。
ラトルは持っておらんので、カラヤン、バーンスタイン、ベルティーニ、ハイティンク、インバルのアダージェットを聴いてみましたぞ。それぞれに美しいが、こういうのをやらせるとやっぱりカラヤンは上手い。白痴美だと謗られようが、美しいものは美しくあればいいと思う。
第3番と第5番はベルティーニ/ケルン放送響のマーラーチクルスの実演を聴いたが、忘れられん思い出じゃ。無理を言ったが、快くチケットを譲ってくれた会社の先輩には今でも感謝しておる。

こんばんは。


マーラーの5番はDVDを所有してます。

ベルリンフィルとても上手いですね。
特にホルン吹きとして第3楽章のシュテファン・ドールのオブリガートホルンには感心しましたがそれ以外は視覚的効果を除けばインバルやバーンスタインの方を好みます。

ラトル割と応援しているんですがどうしてでしょうか・・?
バーミンガムとの7番は大好きなんですが。

今後大ホームランが出ることを期待します!

mozart1889さん、こんばんは。ラトル&ベルリンフィルのマーラー第五はいいですね。
スッキリ系のこの演奏はビールに例えると美味しい発泡酒のようです。
ラトルがベルリンフィルを、今後どういう方向にもっていきたかったのか、今なら一層よくわかる演奏だったと思います。

録音は確かに「悪くはないが良くもない」という印象です。
ブーレーズのグラモフォンへの録音などと比べると音質では数段劣っているような…。
もっと生々しい音だったらさらに楽しめただろうと思いました。

>猫よしお 様
おはようございます。いつもお世話になります。
ラトルの音、そうですそうです、洗練されすぎている感じはしますね。ベルリン・フィルの昔の音から比べると、随分遠いところにある感じがします。
美しいのはいいんですが、少し音が軽いような気もします。
スゴイ演奏なのに、こんなことを書くのは贅沢な話なんですが・・・・・・(^^ゞ。

フリッチャイの演奏を聴くとショックです。昔のBPOはスゴイ音を出していたんや・・・・・と驚きます。

>天ぬき 様
おはようございます。コメント感謝です。いつもお世話になります。
ヴィスコンティの映画、耽美的でしたね・・・・。アダージェットの、また美しかったこと!音楽の効果が素晴らしかったと思います。ヴィスコンティはスゴイですね。
マーラーの5番は、インバル/フランクフルト放送響の実演を、当地愛媛県で聴くことが出来てから、開眼しました。
特に第3楽章が面白いです。

ラトルで聴くと、まるでホルン協奏曲です。

>よんちゃん 様
おはようございます。コメントを有り難うございました。
この演奏のDVDは観たことがないんですが、そうですか、やはり第3楽章は「ホルン協奏曲」になっているんですね・・・・・。
マーラーの5番交響曲は、スケルツォがついに交響曲の中心となった画期的な作品と思います。
ホルンが指揮者の隣で吹きまくる演出・・・・・観てみたいですね。
この曲の実演をインバルで聴いた(観た)んですが、ベル・アップなどの視覚的効果も楽しかったです。

>yuri 様
おはようございます。いつもコメント感謝です。有り難うございます。

この曲のアダージェット、美しいですよね。ここだけ取り出して聴くことも、僕はよくあります。
マーラーに開眼したのは、このアダージェットからだったと思います。
ゆったりと時が流れてゆく感じです。ヴィスコンティの映画「ヴェニスに死す」で観たときは、衝撃でした・・・・。

>Summy 様
おはようございます。コメントを有り難うございました。
クーベリックのマーラーは自然な味わいが魅力ですね。僕は昔クーベリックの全集が一番安価だったので(20年前から廉価盤でした)、購入してボツボツ聴いてきました。

バーンスタインは、僕は今苦手なんです。あの熱さがどうも暑苦しさになって、どうも僕のトシのせいでしょうか、聴いていてヘトヘト、疲れる感じがします。テンシュテットも同様ですし、バルビローリの甘さも・・・・・。

そこへいくと、クーベリックのマーラーはイイですね。しっとりと聴き手に迫ります。

>峠茶屋の爺 様
おはようございます。コメントを有り難うございました。
マーラーのアダージェット、まさに陶酔的な音楽ですね。3番交響曲のラストもスゴイですが、あれは長大、5番のアダージェットの方が長さがちょうど良い感じです。
カラヤンやベルティーニの演奏は耽美的な名演、アダージェットには似合いますね。変わったところでは、スウィトナーが同じ方向の音楽作りをしています。ベルリン・シュターツカペレの演奏も素晴らしいものでした。

インバルはサラッとしてますし、ハイティンクは正攻法、どちらも好感が持てます。しかし、千両役者的な名演は、やはりカラヤンでしょうか。

>ニョッキ 様
おはようございます。いつもお世話になります。感謝です。
ラトルのマーラー全集を入手しましたので、ボツボツ聴いていきたいと思っています。いままで、ラトルのマーラーは聴いたことがありませんでしたので、楽しみです。バーミンガムとの7番も、楽しみたいと思います。

シュテファン・ドールのオブリガートホルン!
良かったですね。このホルン奏者のこと、全然知らないんですが、巧いもんですね。さすが天下のBPOだと思いました。

インバル/フランクフルト放送響の実演は、僕のマーラー体験の頂点です。スゴイ演奏でした。

>ushinabe1980 様
おはようございます。コメントを有り難うございました。
ラトルのマーラーはとても美しい演奏で、ushinabe1980さんがおっしゃるように旨い発泡酒、爽やか系の名演でした。

しかし、EMIの録音がイマイチですね。DGのブーレーズのマーラー録音が素晴らしいだけに、聴き劣りしてしまいますね。
ブーレーズのマーラーは5番以降を持っているんですが、いずれも素晴らしい録音で、このくらいの音でラトルを聴かせてくれればなぁと・・・・残念です。

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