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マーラーの交響曲第6番「悲劇的」 小澤征爾/ボストン響

午後から激しい雨。一気に降って、あがって、また土砂降り・・・・。
そんな天気の繰り返しでありました。蒸し暑い3連休でした。
おかげさまで、この3日間で四国山系にまとまった雨が降り、渇水地域の不安は解消のようです。

さて、今日はマーラーです。

マーラーの交響曲第6番 イ短調「悲劇的」。
小澤征爾指揮ボストン交響楽団の演奏。
1992年1~2月、ボストン、シンフォニーホールでのライヴ録音。フィリップス盤。

小澤のマーラー演奏には、錯綜してこんがらがった楽譜の綾を解きほぐして、一本のまっすぐな糸に直してゆくような趣がある。
オーケストラをよく整理して、聴き手に分かりやすいようにマーラーの音楽を響かせる。サービスが精神旺盛であると云うべきか。複雑なマーラーの音楽が、平易で楽しいものに聞こえるのは、小澤の得難い個性であると思う。
テンポは全体的に中庸で、妥当なもの。

第1楽章は、仕上げが美麗で端正。ボストン響の音色や響きも非常に美しい。音が全体的に柔らかく、優しい響きになっている。荒々しさとか粗暴には無縁の演奏。だから、「悲劇的」というには、切迫感・緊張感がやや足りないかな。
弦楽セクションの柔らかさ、練り絹のようなしっとり感は、ボストン響独特のもの。小澤が常任になってから、さらに美しくなったように思う。
木管や金管も刺激音が少ないので、耳当たりが良い(マーラーではもっと軋むような音があってもいかなとも思うが)。
だから、大音量でも音がマイルドで、楽器の溶けあいもよいので、クリーミーなサウンドになる。これを聴くのは楽しいものだ。

第2楽章も同様で、マイルドな音が際だつ。小澤のマーラーの一大特徴と思われる。
この刺激音の少なさ、緻密な設計、そしてオケの自在な解放。おそらく小澤の棒は80%まで追い込んでおいて、残り20%はオケの自主性に任せているような・・・そんな感じで聴いた。小澤のマーラーは自主性を重んじる。これが、素敵なサウンドを生み出しているのだろうと思う。

第3楽章は、ふつうにアンダンテ・モデラートをおいている。
いつ聴いても美しい楽章と思う。実に綺麗で、サラサラした音楽。特に小澤で聴くと、音楽が空虚なものにならない。
渓流の清々しさ、朝露に濡れた草花の潤い・・・・そんな感じの情趣が伝わる。これは小澤の傑作だろう。このデリカシー、はかなさは、小澤盤でしか聴けない。

フィナーレは表情多彩だが、どれも端正な表現で、仕上げはアッサリ系。
アクは強くなく、サラサラした、水彩画のようなマーラーになっている。日本料理で云えば(例えが悪いが)、精進料理・上品な懐石料理といった感じで、聴いていて面白い。
ハンマーはさすがに強烈。ただ、あまり哀しみを引きずっていないのが、かえって良い。

録音はフィリップス特有の、残響豊かなヨーロッパ・トーン。
音場は広大、ただし定位は少し甘い感じでもあります。
でも、この余韻は、やはり素晴らしいと思います。

さて、小澤のマーラーは近頃店頭では見かけませんが、廃盤ですかね?


AUTHOR: hiromk35 DATE: 09/18/2007 19:51:01 マーラーの6番はたしかセル/クリーヴランド管のライヴ盤があったよね~、と取り出してみました。まずはDSDリマスタリングCDを・・・。とても聴きやすい好い音。だが待てヨ、どうも迫力が足りない、こんなハズじゃないよと、首をかしげながらラックの奥からLPを掘り出して久しぶりに聴いてみました。これがなんともイキのいい音。セルもオケもこちらの胸にグイグイと迫ってきます。マスターの鮮度の関係でしょうかねえ?
ただし、LPが常にCDより好い音がするとは限らないのが悩ましいところではありますが・・・。
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コメント

>hiromk35 様
こんばんは。いつもお世話になります。コメント感謝です。
LPの音の良さ、深さにはビックリすることが多いですね。CDに慣れてしまうと、LPの音の強さに感心することがしばしばあります。
マーラーのLPレコードは、あまり持っていないんですが、DECCAのショルティ盤など、大変良い音で聴けます。
10年前に、LPを全部処分しようと思ったんですが、(置き場所の関係です)、面倒なのでそのままにしておいたんです。
処分しないで良かった・・・・自分の面倒くさがりに、感謝です(笑)。

セルのはCDで聴いてます。

>ドレドレ 様
こんばんは。いつまでも残暑ですね。
秋とは思えない蒸し暑さで、イヤになります。

小澤征爾のボストン響マーラー全集は音がイイです。綺麗です。演奏も美しいんですが、ちと滑らかすぎるかなという感じもします。
DG盤の「巨人」はいつか聴こうとLP時代から思っているんですが、(小澤が黒いタートルで腕を組んでいるジャケットはカッコ良かったです)、未入手です。CDで買わなくちゃと・・・・・。

>あるべりっひ 様
こんばんは。いつもお世話になります。有り難うございました。
小澤の全集は録音も演奏も美しいです。さすがフィリップスと思います。棒は気に入っているんですが、世評は高くないようです。
この頃CDが安いので、マーラー全集も気軽に買えるようになりましたね。今は、ラトルのマーラー全集の到着待ちです。HMVです。

クーベリックもセルも往年の名盤。ショルティのも好きです・・・・・というと、東欧系の指揮者のマーラーって、なかなかイイですね。
ノイマンのも素朴で良かったですし・・・・・・。

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