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マーラーの交響曲第5番嬰ハ短調 カラヤン/ベルリン・フィル

年度初めの業務はだいぶ落ち着いてきましたが、峠を越えるのはまだのようです。
毎年のこととはいえ、ホンマにこの時期は忙しいですなぁ。

さて、今日はマーラーの交響曲第5番嬰ハ短調。
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏。
1973年2月、ダーレムのイエス・キリスト教会での録音。DG盤。
こののち、BPOの録音はフィルハーモニーが殆どになったので、この録音は、イエス・キリスト教会最後期の録音になると思う。

カラヤンが作り上げる、耽美派のマーラー。
磨きに磨き上げた美音が洪水のように迫ってくる、スゴイ演奏。
マーラー独特のグロテスクさやドロドロした情念からは遠く離れた演奏であって、やや人工的な感もある。
とにかく徹底して美しさを追求した演奏と思う。えげつないマーラーはよくあるが、カラヤンはえげつなさから遠いところにいる。

第1楽章冒頭のトランペットが惚れ惚れするほど美しい。音も大きいが、音色も美しい。その後のフルオケの爆風は凄まじい。BPOが完璧なバランスで鳴っている。

第2楽章は抑制のきいた表現。旋律豊かに歌い、マーラー的な激情は薄い感じ。旋律が美しく歌われるので、ふと郷愁を誘われるような感じもある。ここでも楽器が見事な調和で鳴っていて、幻想曲風な演奏に聞こえる。

第3楽章のスケルツォは、この曲の核心。
交響曲の歴史の中で長い間諧謔曲であったスケルツォは、マーラーのこの第5交響曲で、ついに交響曲の中心に成長したと思うのだが、カラヤン/BPOの演奏を聴いていると、そのことを強く実感する。美しく、はかなく、意味深い演奏。
カラヤンのコントロールが行き届いている感じ。オケが有機体のように、瞬間瞬間にその音色を変えてゆくのがスゴイ。無数の色やかたちに変化する音の万華鏡。
ソロのホルンは抜群の巧さ。それに絡むトランペットなどの管楽器も安定感があって、聴きごたえあり。

第4楽章は凄絶な美しさに貫かれたアダージェット。カラヤンの耽美派の面目躍如。これほど美しいアダージェットとなると・・・・・対抗しうる演奏は、そうは思いつかないぞい。

終楽章もBPOの巧さを堪能できるが、その響きに酔いながら、ふと、この演奏がR・シュトラウスの管弦楽曲に近いところにあると思った。マーラーが後期ロマン派であって、その世界にはR・シュトラウスがいることを、改めて気づかされるような演奏。
思えば、カラヤンはR・シュトラウスの名手であった。


録音から35年。アナログ全盛期の、素晴らしい録音。
イエス・キリスト教会での録音が効いていて、残響も豊かだし広がりも大きい。
のちの、フィルハーモニーでのカラヤン/BPOの録音が平板的で、低域がモコモコしたり、音がかぶるようなところがあるのに比べて、これは上々の音がします。
良い録音だと思います。



AUTHOR: ドレドレ DATE: 04/11/2007 14:24:56 こんにちは、
この曲はアバド・シカゴ響で初めて聴きました。アダージェットは極めてローカロリーというか、重量感が無く、霞のようでした。
カラヤン盤は聴いたことがありませんが、この時代の演奏は想像できてしまうようで・・でも、聴いてみたいような・・。
ブラームスの交響曲など、1960年代のベルリン・フィルとの録音で初めて聴いて、カラヤンにお世話になったのですが、以降、響きの美しさの追求みたいになってくると、飽きがきてしまいました。「ドイツのトスカニーニ」と昔は言われてたんですから、変わるものですね。
「カラヤンとフルトヴェングラー」 幻想者新書:中河右介 著
なかなか、面白かったです。音楽界の権力闘争の話ですが。
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コメント

>ドレドレ 様
おはようございます。いつもお世話になります。
「カラヤンとフルトヴェングラー」、面白かったです。なるほど、そういうことだったのか・・・・・と云う場面が幾つもありました。
カラヤンの磨き上げた演奏、好きなんです。ブラームスの交響曲だと、僕は最晩年の全集が最も気に入っています。
カラヤンのマーラーも全く独特の美の世界でした。

>Summy 様
おはようございます。コメントを有難うございました。
そうですね、昔はショルティかバーンスタインの時代でした。今や、誰でもマーラーを録音する時代ですから、隔世の感がありますね。
5番はインバル/フランクフルト放送響のナマを体験してしまいましたので、今も、インバル盤が僕の基本です。素晴らしい迫力と精緻な演奏で感動的です。
バーンスタインやテンシュテットはこのごろあまり聴いていないんです。コッテリしすぎて、少し胃にもたれる感じで。

>木曽のあばら屋 様
おはようございます。コメントを有難うございました。
バーンスタインは暑苦しくて・・・・・そうですね、若い頃はよく聴いたのですが、この頃は少しもたれる感じで聴いていないんです。
カラヤンのマーラーは美音の洪水ですね。おっしゃるように、「クリスタルのような音の大伽藍」・・・・見事なものだぁと思います。
9番の2種、スタジオ録音盤もライヴ盤も、感心して僕は聴きました。カラヤン/BPOのコンビで3番か7番を是非聴いてみたかったと思います。

mozart1889さん、どうもご無沙汰いたしました。懐かしい録音です。このLP、2枚組で高かったので、人から借りて聴きました。

カラヤンのマーラー第5、発売当時は冒頭のトランペットで「少年の柔らかい唇の音色が欲しかった」といううたい文句が先行していましたね。その後、アダージェットは「アダージョ・カラヤン」の代名詞のようになりました。商業主義の権化のように言われていたカラヤンは、自分の録音が切り売りされてヒットしたのをどう感じたでしょうか。

最近、またマーラーを聴きはじめたのですが、いや、マーラーに限らず、自分の嗜好が変わってきているのを感じますね。

>stbh 様
おはようございます。コメントを有難うございました。こちらこそ、ご無沙汰しておりまして申し訳ありません。
マーラーのLPは高かったですね。だいたい2枚組で、レギュラー盤で5000円しましたものね。1枚ものは巨人と4番と大地の歌くらいでしたから、マラーを全集で揃えるなんて、もうビンボー学生の僕には夢のような話でした。ショルティの廉価盤のLP全集でも2万4千円!・・・いや、ホンマに高価でした。

で、カラヤンのマーラーは初め聴いたときサラサラしすぎていて、しかも上っ面を磨いただけの演奏に聞こえたんですが(上っ面だけでも大変なのに・・・・)、このごろはよく聴きます。嗜好が変わること・・・・ホンマ、実感してます。

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