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ブルックナーの交響曲第5番 ハイティンク/ウィーン・フィル

昨日の「ロマンティック」に続いて、今日もブルックナーです。

ブルックナーの交響曲第5番変ロ長調。
ベルナルト・ハイティンク指揮ウィーン・フィルの演奏。
1988年3月と12月、ムジークフェラインザールでの録音。フィリップス盤。

第1楽章の冒頭は厳粛な開始。ここを聴くたび、ブルックナーはキリスト教会の人だったと思う。信仰告白のような粛々たる開始であり、オルガン奏者であった作曲者を偲ばせる重層的な響きが素晴らしい。
フォルティシモの爆発はウィーン・フィルらしく輝かしい。
ハイティンクの指揮も、フレージングが深々としていて、ブルックナーにはピッタリ。録音当時の1980年代後半は、ハイティンクがますます円熟して、悠揚迫らぬスケール雄大な指揮をするようになった時期だった。このCDを初めて聴いたとき、ハイティンクが真の巨匠になったことを実感したものだった。

第2楽章は、中世の吟遊詩人が歌うエレジーのような旋律が、ひときわ美しい。
ウィーン・フィルの弦楽セクションがしっとりと濡れたような音色で、味わい深い。シルクタッチの肌触りで、トロッとした響きも最高。フィリップスの録音スタッフの技術の冴えもあるのだろうが、全く美しい。
ここにも、ブルックナーの信仰が聴けるのだが、聴いている打ちにその渦に呑み込まれて、ああ、自分もキリスト教徒になってしまいそうな・・・それほどにウィーン・フィルの響きは感覚に迫ってくる。

第3楽章のスケルツォは豪快に演奏できるところだが、ハイティンクの指揮で聴くと、豪快さより優美さが前面に出てくる。ブルックナーの野人的な雰囲気よりも、穏やかで気品のある風貌が前に出てくる感じ。ハイティンクの表現は、荒々しさよりも、穏和さ・優美さを重視しているようだ。
それを支えているのが、ウィーン・フィルの響きだろうと思う。ここでも、弦の美しさは超絶的。

フィナーレは悠々と流れる大河。仰ぎ見る高峰。感動的な表現になっている。
ウィーン・フィルの響きが素晴らしいので、ここでも厳めしいブルックナーではなく、大人の風格であって、親しみやすく微笑みを絶やさない誠実なブルックナーになっている。
壮大なフォルティシモも腰砕けにならず、オケの力にはまだ余裕がある感じ。
ハイティンクのまとめ方も上手い。実に構成のどっしりしたブルックナーだった。

録音は、いつものフィリップス、万全であります。
ホールトーンが豊かで、楽器の溶け合いも素晴らしく、ホールの上席で聴いている感じ。ムジークフェラインザールには行ったことがありませんが、こんな感じで鳴っているのだろうなと想像されます。
ナマなら、当然もっとエエ音がするんでしょう。一度、行ってみたいもんです。
そんなに気にさせられる優秀録音でした。

全国的に春の嵐。
もの凄い風です。台風なみの暴風。
この風のあと、またポカポカ陽気が戻るんでしょう。
今朝はジョギングはお休み。無理をしないことも大事ですな。


AUTHOR: さすらい人 DATE: 03/05/2007 07:23:47 ブルックナーの5番、特に終楽章は私には難解な曲で、通して聴く事ができない曲でした。1~3楽章が自分の心象風景と感じられただけに、その乖離の大きさに途惑ったのかもしれませんが…。
クナッパーツブッシュ/VPOのLPがこの曲の初体験。御多分に洩れず、U氏に洗脳されて買ったものです。とりわけ2楽章の冒頭の寂しげな木管ソロと、それに続いて弦が奏でる悲痛で美しい旋律に、幼稚園児だった頃に母の実家で体験した曾祖母の葬儀での野辺送りを思い出したものです。この部分、未だにこのディスクの印象が払拭されずに残っています。

ヴァント/BPO盤によって終楽章に目覚めたのですが、原体験が強烈だった所為か、それでも物足りなさを感じています。思い込みというのは、厄介なものですね…。
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コメント

>天ぬき 様
こんばんは。いつもお世話になります。
僕の原体験は、ヨッフム/ACO盤なんです。オットーボイレンのライヴ盤、初めはアインザッツが合わないんですが、どんどん熱気を帯びてきて、燃えるヨッフムの豪快なブルックナーが聴けますね。あの演奏で、僕はブルックナー5番に開眼しました。
いまもって、あれは、素晴らしい演奏だと、僕は確信しています。

こんばんは。
ブルックナー第五、難解です。未だ迷路から抜け出せません。

初体験は、ケンペ&ミュンヘンPOの演奏です。ヨッフム&ドレスデン、クナッパーツブッシュ&VPO、朝比奈&大阪PO(ジャンジャン盤)と挑みましたが・・・、『う~ん』と言った感じです。

ヨッフム&コンセルトヘボウのライブ、ヴァント&BPOへ道を求めてみます。

>あるべりっひ 様
こんばんは。いつもお世話になります。
ブルックナーの5番、ケンペ/ミュンヘンPO盤も良いですね。「ロマンティック」との2枚組を持っていますが、構成感のある演奏で、ボクは好きです。
中世の城塞のような交響曲で、ブルックナーの交響曲で最も長いですね。それが難解になる理由かもしれませんね。
第2楽章はエレジーのように、悲痛で、しかし美しい音楽が流れます。
ヴァント/BPOは、純米大吟醸のような、細部まで彫琢しつくした名演と思います。録音も良好で、聴きやすいと思います。

今晩は、モクレンの花が咲きました(東京は多摩地区ですが)
5番を最初に聴いたのは、コンヴィチュニー・ゲヴァントハウスでした。
なぜか、2楽章ばかり聴いていました。かなりあとになって、ブルックナーはベートーヴェンをお手本にしてたことを知りました。5番は、意欲作なのでしょう、でも理屈っぽくて、あまり聴きません。

>ドレドレ 様
おはようございます。コメントを有難うございました。
そうなんです。5番は理屈っぽいんです。そこが、初め分かりにくかったり、親しみにくいところなんだろうと思います。
コンヴィチュニー盤は未聴です。ガッチリした造形のブルックナーでしょうね・・・と想像してます。
モクレンの花が咲くと、間もなく桜の季節ですね。三多摩地区は故郷に近いんです。生家から西へ500メートル行くと、そこは西多摩郡瑞穂町でしたから。

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