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チャイコフスキーの交響曲第4番ヘ短調 ハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ管

冷たい風の休日。冬が戻りました。
そこで、チャイコフスキーを聴こうと棚を眺めながら、懐かしいLPを取り出しました。
今日はレコードです。

チャイコフスキーの交響曲第4番ヘ短調 作品36。
ベルナルト・ハイティンク指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管の演奏。
1978年12月、コンセルトヘボウでの録音。フィリップス原盤のLP全集から。
これは、「マンフレッド交響曲」を含む7枚組だった。

アムステルダム・コンセルトヘボウ管の、やや暗く、しっとりとした響きがこの曲に似合うと思うのだが、どうだろう。
金管の雄叫びが目立つ曲なので、かえって、こんな渋めの響き、クセのない演奏の方が聴いていて落ち着く感じがする。

ハイティンクの解釈は中庸中道路線と云うべきか。激することはなく、テンポも速すぎず遅すぎず、楽器のバランスも何かが突出することもなく、実にちょうどよい。
もともとこの曲は激情的な曲想を持つし、金管や木管など、その気になればスタンドプレーができる曲だと思うのだが、この演奏は、全くそういうところがない。実に、何の変哲もなく、だから、「目立たない」。聴きようによっては「面白くない」
フィリップスの録音が良いからだろうが、楽器のが心地よくブレンドされていて、耳当たりがまたイイ。刺激音が殆どないと云っていい。

演奏は背筋が伸びて品良く端正。ロシア臭が殆どなく、西欧的、汎世界的なチャイコフスキーだと思う。
第1楽章はさすがに壮大。金管がほれぼれする鳴り渡るが、トランペットもホルンも分をわきまえている感じで、オケの中に綺麗に収まっている。弦楽セクションもハイティンクの棒に柔軟に反応して、正攻法の演奏。

第2楽章はオーボエの暗いメロディが泣かせる。
弦も管もほの暗い響き。長調に転調していくところでも、その哀愁は変わらない。これはロシアというより、ヨーロッパ的な哀感かな。寒さはあまりない。

第3楽章でもピチカートに絡むオーボエやフルートが良い。「ワインを飲んだときのほろ酔いの気分」は作曲者の言葉だが、楽章最後では実にユーモラス。

終楽章はカタルシスの音楽。爆発大噴火、暴風雨。しかし、ACOはその下品な叫喚の一歩前でグッと踏みとどまって、端正な姿勢を保っている。さすがの品の良さと云うべきか。

録音は今も極上。30年前の録音とはとても思えません。
アナログ最末期・全盛期の最高級の録音。
フィリップスの、暖かい音が印象的であります。



AUTHOR: 天ぬき DATE: 02/25/2007 10:12:02 おはようございます
関東にも寒さが戻ってきました。
チャイコフスキーの交響曲では4番が一番最初に好きになったのですが今は一番聴かなくなりました(^^ゞ 一時はマゼールのテラーク盤を面白がって聴いていましたがやはりこの曲はムラビンスキーです。ムラビンスキーの洗礼を受けた私は呪縛からいまだに抜けられません。
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コメント

これは2度目の録音ですね。
私はひょんなことから70年録音も入手いたしましたが、これは感情むき出しの直情的ななかなかの演奏ではありました。基本的に彼は演奏家としてはヴァルカーノであることを再認識いたしました。
なぜこんな激しい演奏をした彼が、”でくの坊”などといわれたのか今から考えると不思議な話でありますよね。
あげておられるものは私も愛聴盤であります。それにしてもこの頃のフィリップスのコンセルトヘボウ大ホールでの録音は素晴らしいものばかりであります。

>ピースうさぎ 様
こんばんは。コメントを有難うございました。
ハイティンク/ACOの「悲愴」が新譜として発売された頃、ちょうど僕はクラシック音楽を聴き始めましたので、この全集は思い出深いんです。CD化も成功していると思います。柔らかい、フィリップストーンが聴けますね。
ハイティンク/ACOのコンビの演奏は、品が良く端正なものが多く、オケの響き・ホールの残響も味わい深く、心地よく聴けます。個性的な演奏、いわゆる爆演系ではありませんが、繰り返し聴くのにはいいなぁと思います。

マゼールのテラーク盤は、スゴイ録音でした。あれも懐かしいですね。

>yurikamome122 様
こんばんは。コメントを有難うございました。
コンセルトヘボウの録音を聴くと落ち着きます。穏やかな余韻が特に良いです。ほの暗い音色も魅力ですね。
ハイティンクの4番に別録音があるのは知りませんでした。感情的ということは激しい演奏なんですね。ハイティンクにしては珍しいですね。

「ヴァルカーノ」という言葉は初めて聴きました。マルカーノは阪急の名二塁手だというのは知っているんですが・・・・ヴァルカーノは分かりませんでした。スミマセン。

彼はあのコンセルトヘボウ大ホールのホールトーンを意識したテンポとバランス感覚のせいで落ち着いた指揮者と思われているのでしょうか。
チャイコフスキーの4番と5番の旧録音、ブルックナー全集の8番の旧録音なども感情がかなり剥き出しの表現をしているように思います。
テンポが遅いわりには灼熱の溶岩がドロリと流れていくような、そんな印象があります。
ちなみにヴァルカーノはvulcanoでして、確か”噴火山”といった意味だったと記憶しております。

そうそう、剥き出しと言えば武満徹のノヴェンバー・ステップスなども肉食人種の血の気の多い殺気を感じたり致します。小澤や若杉のように音の奥にある静寂の美を、何もない美しさを表現していないようであります。その意味ではとてもユニークな演奏と感じました。

>yurikamome122 様
今晩は。コメントを有難うございました。
ヴァルカーノは火かき棒とか弾薬の意味だそうですね。ヴァルカン半島がヨーロッパの火薬庫と言われたことにも通ずると、今日、帰省した大学生の息子が教えてくれました。英語ではボルケーノ、火山のことだけれど、ヴァルカーノだからイタリア語だろうと、これも息子の弁です。
スミマセン、僕は横文字弱いんです(^^ゞ。
で、ハイティンクにすれば爆演なのでしょうが、僕は聴いたことがないんです。興味ありますが、CDではチャイコフスキーやブル8の旧録はなかなか入手できないようです。ノヴェンバー・ステップはどこかで探してみますね。
ありがとうございました。

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