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ブルックナーの交響曲第9番ニ短調 ハイティンク/ロイヤル・コンセルトヘボウ管

今日は大曲です。

ブルックナーの交響曲第9番ニ短調。
ベルナルト・ハイティンク指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管の演奏。
1981年11月、コンセルトヘボウでの録音。
ハイティンクとしては9番の再録音盤になる。

素晴らしい音。
コンセルトヘボウ管の温かみがあってふっくらとした音の大河に、身を浸す快感がある。テンポはやや遅めで、曲そのものが持つスケール雄大な音響が展開する。悠揚迫らぬブルックナーであって、巨匠風の演奏でもある。

確かに、今思えば、1980年前後からハイティンクは巨匠になっていた。
ブルックナー最晩年の大曲、完成していれば代表作になったであろうこの未完の大曲を、ハイティンクは大宇宙の鳴動のように、大きな広がりを持って描き尽くしてゆく。

低音の充実がスゴイ。コントラバスやチェロの深々とした響き、ティンパニの腹に響く強打、トロンボーンの豊かな音。いずれも立派なものだ。
しかも、聞こえよがしにガンガン鳴らすのではなく、上品に、端正に、そして素晴らしい音響効果をもって鳴らしてゆく。そこがイイ。聴いていて、全く快感だ。

ブルックナーの交響曲は、山野をハイキングするような楽しさや、大河小説を読んでゆくような面白さにあふれているのだが、ハイティンクが指揮するこの9番交響曲も同様で、悠久と流れてきた大河に身を任せるようなところがあって、その男性的な逞しさに圧倒されつつ、何か大きなものに包まれている安心感がある。

息の長い、自然なフレージングが素晴らしいし、何度も出てくる反復進行のスケールの大きさも特筆もの。
オケも万全で、素晴らしい反応を見せるとともに余裕ある響きをつくりだす。
ブルックナーがこんなにも親しみやすい、慈悲深い表情で演奏されるのは、そう滅多にないんじゃないかと思われる。
名演だなぁと思う。

ハイティンクのブルックナーは1960年代の全集以降、再録音が結構あって、コンセルトヘボウ管とは7・8・9番が再録音あり。この9番はその再録音盤。
ウィーン・フィルとも全集企画があったのだろう、3・4・5・8番がVPO盤で聴ける。もっとも。いずれも全集完成に至らなかったのは、ハイティンクがどんどん巨匠風の演奏を展開していっただけに、つくづく惜しいと思う。(もう無理だろうなぁ)。
ベルリン・フィルとの再録音盤マーラー全集も7番までで止まってしまったし・・・。
ハイティンクの新盤を是非フィリップスの録音で聴いてみたいものだが。

と思っていたら・・・・・
いつもコメントを下さるshiberaさんから、こういう書き込みを頂きました。
「でももっと残念だったのは、ハイティンク_VPOの全集録音が頓挫してしまったこと。このコンビこそ、内面からの充実した響きが外面の整えられた美しさと調和し、音楽芸術に昇華するという、ブルックナー演奏の理想を体現してくれたように思います。」
(シノーポリのブルックナー8番交響曲でのコメントです)

いや全く同感。
同じ思いの方がいらっしゃる。嬉しいことです。



AUTHOR: ピースうさぎ URL: http://blog.goo.ne.jp/prabbit DATE: 01/10/2007 13:14:03 このディスクは私も愛聴盤です。
コンセルトヘボウ管の響きも良くて、言うことがないですね。
このディスクが素晴らしいので、ウィーンフィルとの録音が途絶えたことは、いいんじゃないでしょうか(笑)。
ちなみにウィーンフィルとのブル8も最高ですが。
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コメント

こんばんは。ハイティンクと当時の手兵のコンビの最良の姿が聴かれますし、録音も素晴らしいですよね。
私もウィーンとの録音が、途絶えてホッとしたような、残念なような、複雑な気持ちです・・・・。
TBさせていただきました。

初出当時、福永氏だったか宇野氏だったか失念しましたが音楽現代紙上で褒めてるんだか貶しているんだか良く分からない表現で賞賛していたのを思い出します。「ハイティンクが(彼にしては)信じられない程素晴らしいブルックナーを録音した」的なニュアンスだったと記憶しています。当時はまだそれほどハイティンクが好きではありませんでしたから「ふ~ん」て感じでしたが。後任指揮者によって完全に変質してしまう以前のヘボウの何ともいえず温かく野趣に富んだサウンドに加えて見事な録音。古木を思わせるちょっとくすんだ味わいの弦、まさに「ええなあ」であります。このちょっと後に出たマーラー7番とともに大のお気に入りです。とは言え名盤に事欠かぬ曲ゆえ、なかなか聴く機会が無いのが残念ですが・・。ちなみにこの曲、私的にはスクロヴァ/ミネソタ、ジュリーニの新旧両盤をベストと思っております。

>あるべりっひ 様
コメント感謝です。いつも有難うございます。
ハイティンクのフィリップス録音は1970年代半ば以降は極上のものが多いです。安心して聴ける名録音。このブルックナーもデジタル初期ですが、非常に良い音がします。フィリップス録音はスゴイ・・・・・ブランド信仰みたいなもんでしょうか(^^ゞ。
ジュリーニ/シカゴのブルックナーは未聴なんです。世評高いですよね。これ、探してみなくちゃイケマセンね。いつもはVPOとのDG盤で聴いています。これはこれで、個性的な名演だと思えます。

>花岡ジッタ 様
おはようございます。お久しぶりです。コメントを頂けて嬉しいです。お元気ですか?
ハイティンクの評価は日本ではジワジワ上昇してきたんでしょうね。ただ、1980年代になると(ちょうど僕がレコ芸を読み始めた頃ですが)、大木正興さんなどはよく褒めていました。宇野・福永さんあたりはどうだったのか記憶はないのですが、花岡さんの書かれている表現だと宇野さんみたいですね。
ハイティンク録音では、このCDと、同時期のマーラー4番、7番も素晴らしい音です。ふっくらと豊かで、そう野趣にも富んで、良い音ですね。スクロヴァ盤は未聴です。聴いてみたいです。

>yokochan 様
おはようございます。コメント・TBを有難うございました。
当方もよろしくお願いします。
ハイティンク/VPOの録音が途絶えて、残念なようなホッとしたような・・・・その気持ち分かります。
でも、やっぱりVPOとの7番・9番は聴いてみたかったかなぁ・・・・・・(^-^)

これは私は初出の時に買いました。以来愛聴盤です。
なんというか暖かい肌触りと、それから以外とこのオーケストラが厳しいおっかない音を出すんだなと新たな魅力を感じたり。
でもこの演奏、1楽章の終わり、あの改変はなんなのでしょう?。
どなたかご存じの方いらっしゃいます?。
嫌いではないのですが初めて聴いたときはビックリしました。
ちなみに初めの全集でも彼は同じことをしています。
VPOとのブルックナー、BPOとのマーラー、BSOとのブラームス、私にはどれもコンセルトヘボウ管弦楽団の古い全集をも凌駕しているか私には疑問符が着きます。
コンセルトヘボウ管弦楽団で新たな全集になるはずだったこの時期のブルックナーの再録音の3曲、それからマーラーの2曲は私にとり珠玉の演奏でありますが。
すいません、個人的な好みでした。
あしからず。

>yurikamome122 様
おはようございます。いつもお世話になります。
さすが、yurikamome122さん、初出の時の購入だと4000円盤ですね。
第1楽章終わりの改変のことは知りませんでした。ですからよく知りません。そのことに触れている文献を見たこともないんです。
ハイティンクの旧盤による全集は持っていませんので、一部しか分かりませんが、マーラーですと、1番と3番・5番はBPO盤がスゴイと思います。4番・7番はACOとの再録音盤が数段上、というより冠絶した名演と思います。ブルックナーはVPOとのロマンティック、これは旧盤より上と思いました(というより、最高の愛聴盤です)。ACOとの再録音ブル8、これを聴いてみたいんです。廃盤で入手しにくいんです。VPOとのブル8と聴き比べてみたいです。

宇野功芳氏がウィーンフィルに関する著書のなかでハイティンクのブル9の実演を聴いたときのことに触れており,「ティンパニを馬鹿みたいに二人でたたいていた」と書いてあったと思います.少なくともコンセルトヘボウ時代は多分このように演奏していたのでしょう.

ハイティンクはコンセルトヘボウとデジタル初期に8番を録音していますがが,4楽章冒頭のティンパニを改変しています.金管のファンファーレに続いて
「どろろろろろ(ロールのクレッシェンド),だだん,だだん,だだん」
というようにたたいていて,初めて聞いたときはびっくりしました.
このような改変は個人的にはかなり違和感がありました.そんな芸風でもないのに.ウィーンフィルとの録音やドレスデンとの来日公演では楽譜通り(多分)にやっていました.来日公演での演奏は本当に素晴らしかった・・・

ちょっと分かりにくい書き方でしたが,宇野氏が聴いたのはコンセルトヘボウの演奏会です.

>たけ 様
おはようございます。コメントを有難うございました。
ハイティンクの楽譜改変の話、興味深く拝見しました。ティンパニを増やしたり、叩かせ方を変えたり・・・結構、ハイティンクもやっているんですね。
僕はハイティンクこそ楽譜忠実な誠実真摯な人なのだろうと思っていました。
(そういえば、ジョージ・セルも一見、楽譜に忠実な人のようで、結構弄っているという話を聞いたことがあります)
僕は楽譜が読めず、スコアのことはよく分からないのですが、たけさんのコメントはとても面白かったです。ありがとうございました。
また、教えてください。

ずっとこのブログ、拝見しております。今日は、自分のブログにハイティンクのことを書きまして、その末尾にこちらにリンクを貼らせていただきましたのでコメント欄でご挨拶を…。ハイティンク+コンセルトヘボウを紹介されるときはいつも大変に愛(偏愛?笑)に満ちた推奨をされますよね。それらの記事にすっかり誘惑されまして、ハイティンク+コンセルトヘボウに開眼いたしました。同じような方、ここの読者には多いのではないでしょうか。これからもブログ、続けていってください。期待しております。

>ひらつか 様
おはようございます。初めまして。コメントを有り難うございました。感謝です。感想文をボツボツ書いている、クラシック音楽の絵日記のようなもんなんですが、よろしくお願いします。
ハイティンクのブルックナー、エエですね。1980年代以降の彼の演奏は懐が広く、妙な味付けもなく、じっくりと聴かせてくれます。僕はコンセルトヘボウ管との7番・9番、VPOとの4番・5番・8番を聴いているんですが、どれも素晴らしいと聴くたびに思います。
フィリップスの録音がまたエエんです。録音が良いことも、演奏を素晴らしいものにしているような気がします。
ハイティンクのCD、廃盤になってしまっているものが多いんですか。それは惜しいですね・・・・・。イイ演奏なんですが、売れなかったんでしょうね。

ブルックナー 交響曲第9番 ハイティンク指揮

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「コンセルトヘボウ・シリーズ」はいよいよ第4代音楽監督「ベルナルト・ハイティン

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