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モーツァルトの交響曲第39番変ホ長調 K.539 ハンス・グラーフ/モーツァルテウム管弦楽団

昔、クラシック音楽を聴きたくても、レコードが高くてなかなか買えないビンボー学生だった頃、NHK-FM放送にはずいぶんと世話になりました。
エア・チェックのために隔週発売の「FM-fan」誌は欠かさず購入して、2週間の予定を立てていたものです。特に夏の盆前後と、正月三が日・年末は、ライヴの目玉番組が多かったですな。
年末のバイロイト音楽祭のワーグナーは深夜での放送、正月にはザルツブルク音楽祭のコンサートや大物アーティストのリサイタルの放送でした。そして三が日の午前中は、ザルツブルク音楽祭のモーツァルト・マティネーの放送だったことを思い出します。

この、モーツァルト・マティネーに出てくるオケが、モーツァルテウム管弦楽団。
指揮者なしで演奏してみたり、若手指揮者が振ってみたり・・・・今日聴いている指揮者、ハンス・グラーフもその一人だったんじゃないかな。


そこで、今日は、モーツァルトの交響曲第39番変ホ長調 K.539。
ハンス・グラーフ指揮モーツァルテウム管弦楽団の演奏。
1991年4月、ザルツブルクのモーツァルテウムでの録音。

第1楽章の冒頭の序奏部から、もう幸福で穏やかな音楽が展開する。
重々しくなく、勿体ぶったところもない、明朗な表情の序奏部が実に好ましい。
主部に入っても穏和な音楽が続いてゆく。グラーフは別に新しいことを試みている風でもなく、奇をてらったところもなく、正統的なモーツァルトを聴かせる。オーケストラは小編成なのだろう、響きが軽快で、リズムも小気味よい。重くないのがイイ。
モーツァルテウム管弦楽団も、上々のアンサンブル。テクニックが巧いというより、合わせ上手という感じのオケ。管楽器があまり突出することなく、オーケストラ・プレイに徹しているところなど、奥ゆかしささえ感じる。

第2楽章はアンダンテ・コン・モート。
ここも穏やかな表情がとても良いのだが、時々、スパッと音を切って激情を覗かせるところもある。静謐の中にかいま見える激情とでも云おうか。

第3楽章のメヌエット。モーツァルトの天才たるゆえんの、完璧なまでの曲。
ここでのクラリネットは、ジンとくる。何を語ろうとしているのか、僕のような凡人にはモーツァルトの心の中など想像も出来ないが、何度聴いてもこの楽章のクラリネットは深い。曲想が明るく穏やかなのに、深い。はかなくも淋しい、これぞ、天才の白鳥の歌か。
第4楽章フィナーレはアレグロ。
グラーフはここだけ少し速めのテンポ。アレグロなんだから当たり前だが、前の3つの楽章が中庸、やや遅めのテンポだったのに比べると、ここの速さが駆け抜けてゆくように感じる。
オケは好調、お互いの音を聴きながら見事な融け合いで聴かせてくれる。

録音状態は良好。ふっくらと柔らかな残響とともに、穏和なモーツァルトが現れます。
グラーフのモーツァルト交響曲全集は、輸入盤では超廉価盤ですが、味わい深い演奏が沢山ありますな。
グラーフもオケも、気合い十分で最高のモーツァルト全集を作るぞという気概でやっているわけじゃないんです、きっと。いつもの演奏するぞ・・・・くらいのもんなんです。
だから、彼らにとっては「普通のモーツァルト」。
でも、それがエエんです。聴き手もそのつもりで聴いています。新春にはこんなモーツァルトがイイです。

それに、モーツァルト作品は普通に演ってくれているだけで、音楽そのものがスゴイですしね。




AUTHOR: ensemble URL: http://ensemble.ameblo.jp/ DATE: 01/03/2007 12:54:37 新年明けましておめでとうございます。
昨年はいろいろ楽しい話題をありがとうございました。
本年もよろしくお願い申し上げます。
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コメント

>ピースうさぎ 様
こんにちは。
このごろ、FMを聴いていないんですが、若い頃は頼りになるソースプログラムでした。
FM-fanもよく買いました。「長岡鉄男のダイナミックテスト」なども真面目に読んで、オーディオにも凝ってました。懐かしいです。
ピースうさぎさんも、読んでたんですね。あのころは、小学館のレコパルと音友の週刊FM、そして共同通信社のFM-fanでした。いろいろ僕も読みました。
あれで、クラシック音楽を知ったんです。

グラーフのモーツァルト交響曲全集は、普通の演奏ですが、その普通さがエエです。
コメントを有難うございました。

明けましておめでとうございます。
今年も楽しい話題楽しみにしております。
全集は、ブリリアントのヤープ・テル・リンデンの演奏をマルチチャンネルのSACDで楽しんでます。若い演奏家たちの新鮮な全集と思ってます。

こんばんは。懐かしいエントリーをしていらっしゃるのでコメントさせていただきました。
FM-fanは私も何年読んだことでしょう。
レコードが買えませんでしたので、録音するものをに印をつけて、いわゆる「エァ・チェック」よくやりました。
今でも、カセット→MDと変わりましたが、時々録音してます。
お正月の三が日のモーツァルト・マティネーも当時タイマーもなく、時間を計算して必死に録音したものです。いかにも本場ものといった感じで楽しかったですね。ずいぶん前のことです。
モーツァルトのCDあまり買わなくなりましたがグラーフの全集、私も買いました。
昨年のモーツァルト・イヤーの私の記念品がこれです。

>あるべりっひ 様
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
あるべりっひさんは、SACDですか。さすがです。
僕もリンデンの全集はブリリアントの「モーツァルト大全集」に入っていましたので、よく聴きますが、普通のCDです。やっぱり、SACDは音がイイんでしょうね。
リンデン盤は爽快新鮮、小気味よい演奏ですね。サッパリ感がボクは好きです。
コメントを有難うございました。いつもお世話になります。

>daland 様
こんばんは。
dalandさんもFM-fanでしたか。僕も長いこと読みました。カセットテープも相当数あったんですが、先年、デッキが壊れたのを契機に(置き場所にも困ってきたので)処分しました。
当時はカセットテープ選びから始まって、ノイズ・リダクションシステムにも随分凝りました。僕はAurexのAdressシステムでした。テープはTDKのADが高音が伸びるとか、ここぞの時にはメタルのMAとかMA-Rとか・・・・・。時間を必死に計算したのは僕も同じです。
懐かしいですね・・・・・・。
グラーフのモーツァルト交響曲全集、時々取り出しては楽しんでます。
コメント感謝です。ありがとうございました。

そういえば、私は『レコパル』派でした。
NHK-FMのお世話になり、クラシックの深みにはまりました。
とは言って見ても、オリビア、Queen、シーナ・イーストン等を知ったのもNHKーFMですし、また山下達郎から大滝詠一を知り毎年、年末年初の山下達郎&竹内まりやの夫婦対談、達郎&詠一の放談の放送を楽しみにしている一人です。
当時のFM放送が今の音楽趣味の基本を作ったかもしれません。

はじめまして。

「FM-fan」という懐かしい言葉にひかれて、訪問させていただきました。
私も、大学時代、レコードは買えない、プレーヤーも下宿にはないということで、
「FM-fan」と大学生協の格安テープのお世話になったものです。
テープの時間内にきちんとおさまるよう、どの曲をどの順番に録音するか、など考えているのも楽しかったです。
これからも、時々訪問させていただければ幸いです。
私の方の「読んでいるブログ」にもリンクさせていただいてもよろしいでしょうか。

長文失礼致しました。

>あるべりっひ 様
おはようございます。
あるべりっひさんは、『レコパル』でしたか。当時はFM隔週誌が3冊合って、競っていましたね。そして、僕もFMからオリビア・ニュートンジョンやQueen、シーナ・イーストンを知りました。懐かしいですね。古くなりましたね。
結局僕はその後クラシック音楽一辺倒になるんですが、その趣味のはじまりは、FM放送であったのだと思うんです。
コメント感謝です。ありがとうございました。

>のすけの母 様
初めまして。よろしくお願いします。
のすけの母さんも、早起きですか?
こちらこそ、リンクをどうぞよろしくお願いします。
大学生協の格安テープ!僕もお世話になりましたよ。C90が青、C60は赤のジャケットでして、安かったんです。メーカーは僕の頃はマクセル委託だったと思います。ですから、なかなかの音で聴けました。懐かしいです。
僕は昼飯を3回抜いて、レコードを買ってました。ビンボーでした。哀しいくらい、学生の頃はカネがありませんでした。
今はCDが激安ですし、お金も少々余裕がありますが、あの頃の自身と比べると、音楽を聴く真剣さで劣っているような気もしています。

mozart1889さん、こんばんは。
コメント&TBありがとうございました。
福永武彦をお好きな方にめぐり合えて、とても嬉しいです!!!!
これからも、いろいろお教えください。
それから、自分の方にも書いたのですが、リンクがうまくできませんでした。
ブログに登録ができませんでしたが、毎日訪問させていただきたく思っております。
これからも、どうぞよろしくお願い致します。

そうそう、私は早起きといえば早起きですが、今は正月の不規則がより不規則になって超早起きになっているところです。

学生時代、私は昼代をうかせて本ばかり買っていました。レコードは、1年に1枚くらい!!今のCDを買う頻度は想像できませんでした。

皆さんFM-fanの件で盛り上がってますね!たしか前にも一度ご紹介したことがあるかもしれませんが、一部なつかしの番組表を見られますよ。
http://www.yamagata-net.jp/gbh00577/tips/page/computing-736.html
です。
私も、ずっとFM-fanを購読していましたが、大雪で5素子アンテナが倒れてから、あきらめてしまいました。今は、ときどきインターネットラジオ BBC-3 を聞いています。
http://www.bbc.co.uk/radio3/classical/index.shtml
などです。

>のすけの母 様
おはようございます。こちらにもコメントを有難うございました。
福永武彦は大好きです。でも、長いこと読んでいません。学生時代には本当に熱中しました。『加田怜太郎全集』まで読みましたから。
文庫版は多くが絶版になってるんですね。一時、書籍を整理しているうちに福永の文庫も古本屋に売ってしまいました。惜しかったなぁ・・・。

ここのDoblogはリンクやトラックバックが上手くいかないことがあるようです。TBは文字化けすることもあって困っています。申し訳ありません。
今後ともよろしくお願いします。

>narkejp 様
おはようございます。コメントを有難うございました。
以前にご紹介いただいたURL、ありがとうございました。
FM放送は皆さん聴いてたんですね。FM雑誌も読んでいらしたんですね。
『FMfan』誌ファンも多いようですね。

最近はFM放送をあまり聴かなくなりました。AMのような放送が増えてしまいました。じっくり音楽を聴くなら、インターネットラジオの方がイイかもしれませんね。
どうもありがとうございました。

mozart1889さん。こんばんは。
FM放送のことでの盛り上がり楽しいですね。
みなさん同じような苦労をして音楽を聴くことに一生懸命だったのですね。

本日の私のブログで、mozart1889さんのご了解なくブログの紹介をしてしまいました。
お許しください。
TBさせていただきました。

ブログの文字大きくなり感謝します。(老眼には嬉しいです)

>daland 様
おはようございます。ご紹介を有難うございました。
FM放送、本当によく聴きました。ちょうど学生の頃にクラシック音楽を聴き始めましたので、FM番組を録音するために、大学をサボったことも多くあります。当時はビンボーだったので、FMは貴重でした。カセットテープがどんどん増えました。
文字が大きいのは見やすいです・・・このままのサイズで行こうと思います・・・・・(^^ゞ。

デジタル放送「ミュージックバード」

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私にとって音楽のソースは、やっぱCDですね。LPは押入れの奥に入っていて、もう聴いていません。もうLPは、くにゃくにゃになってるでしょうね。後は、FM放送を録音した、MDですかね。やはり今でもFM放送のいろいろな音楽祭でのライヴ録音は貴重です。昔はカセットでしたが、今はMDになりました。どうしてもタイマー録音が必要で、DATに一旦録音して、MDに落としていました。「mozart1889」さんのブロク「クラシックのひとりごと」の1月3日のコメント欄でFM放送のことで、非常に盛り上がっています。みなさん...

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