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カール・ベームのチャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」 ロンドン響

今年は、今のところ暖冬です。
この時期になるとボクはスーツの下にベストを着込むんですが、(職場が寒いんです・・・(^^ゞ)・・・まだまだスーツの下はワイシャツだけ、秋の格好です。
さすがにこの数日の雨とどんより曇り空で冬らしくなってきましたが、天気のわりに気温が下がっていないような・・・・。地球温暖化ですね。

それでも寒くなってくるとチャイコフスキーを聴きたくなるもんです。
日本人の季節感ですかね。チャイコフスキーにラフマニノフ、シベリウス・・・・寒いところの作曲家の音楽、寒い季節に合うなぁと思います。

で、今日は懐かしい演奏をLPで取り出してます。懐かしいと云うより、この人の録音では珍しいレパートリーでしょうか。

チャイコフスキーの交響曲第6番ロ短調 作品75「悲愴」。
カール・ベーム指揮ロンドン交響楽団の演奏。
1978年12月、ロンドンでの録音。DG原盤のLPで。

悲愴交響曲は、寒くなると聴きたくなる交響曲。寒々とした冬空が似合う。尤も、暖地の四国の冬空と、ロシアの凍てつく空とは全然その寒さのレベルが違うのだろうけれど。

第1楽章の冒頭は、全く寒い音楽が響く。右スピーカーから出てくるチェロの響きが凍りつくような寒さ。
第2主題あたりからその趣きが変化する。ことのほか美しい。憧れと感傷が詰まった音楽。指揮するベームはこの時84歳。最晩年の録音だった。この第2楽章など、老人性の遅さなのか、確信して遅くしているのか、とにかくテンポが遅いので失速しそうになるのだが、その中から浮かび上がるフルートなどは絶品の美しさ。あとを受けつぐクラリネットも典雅な響き。
リズムは確かに弛んでいるところもあるのだが、遅い分だけ味わいは増す。それに、ドキッとする美しい瞬間がある。
展開部でのドラマティックな激しさもスゴイが、ふっくらした豊かさも同時に伝わってくる。そして、音楽が徐々に温もってゆく。その暖かさが良い。

第2楽章はアレグロ・コン・グラツィア。でも、アレグロじゃないなぁ・・・遅いもの(^^ゞ。
ここは、スラヴ特有の5拍子のワルツなのだが、舞曲というよりも堂々たる行進曲に聞こえてしまうのも一興か。ベームはベームの道を行く。

第3楽章こそ、行進曲。これも鈍足ベームの面目躍如、遅くてつまずきそうなのだが、音楽はスケール雄大、チャイコフスキーの堂々とした管弦楽が部屋全体に広がる快感がある。ロシア風と云うより、ドイツ風のゴツゴツ感がたまらない魅力でもある。

終楽章はストリングスの厚みが良い。ふっくらした響き、そしてベームのとるゆったりとしたテンポから、悲しみがにじみ出てくる感じ。
弦楽セクションだけでなく、ファゴットなどの木管が味わい深い響きを醸し出している。
録音水準は標準レベルでしょう。
オケのロンドン響は好演です。立派なもんです。
このころ、ベームはロンドン響の会長を務めてました。チャイコフスキーの4~6番を録音していたはずなんですが、我が家にはこの「悲愴」しかありません。
巨匠最晩年、まさにベームらしい名演奏でありました。



AUTHOR: にき DATE: 12/15/2006 10:19:02 こんにちは。
これぞベーム晩年ですね。文章からひしひしと伝わってきます。このシリーズ欲しいです。
鈍重・愚鈍いいですね。いままで見えなかった部分が見えてきます。しかも疲れません。
ベームの晩年、クレンペラーの晩年素晴らしいと思います。現今この手で演奏されたら世に出れなかったかもしれません。もうこのタイプは出てこないでしょうね。

さらにすみません。
イッセルシュテト・ヨッフムの飾り気のない中庸も疲れなくていいです。
ビーチャムの育ちのよさを思わせる、無理をしない感じも疲れなくていいです。
なんともすみませんでした。
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コメント

>yurikamome122 様
こちらにもコメントを有難うございました。
ボクは、ベームのチャイコフスキーが発売された頃に、ようやくクラシック音楽に目覚めました。「悲愴」やシューベルトのグレート再録音、ウィーン・フィルとの最後の第九ライヴ盤などが出て、間もなくベームは死んでしまいました。

ベーム最晩年の独特の遅さ(鈍重さかもしれません・・・・)が、よく出た演奏だと思います。今となっては懐かしい演奏です。
それにしてもベームの忘れられ方・・・・・・時の流れを感じます。

お世話になります。
これ「火の鳥」や「新世界」と並ぶベームの異色なレパートリーですね。
昔、アンチカラヤン派だったころ、カラヤンのBPOとの76年録音の「悲愴」を、微に入り細をうがつ解釈にも関わらず、表面的としか思えず、対照的に、欠点だらけで不器用極まりないベーム盤に曲の真実を感じ、大変愛聴していた事が有ります(なお、ヴァントにも「悲愴」やチャイ5、「火の鳥」、展覧会の絵」等の録音が有り、こちらも硬派の名演ですね)。
しかし当時のLSOって凄い指揮者達とコンサートや録音を行っていましたね。ベーム、ヨッフム、チェリビダッケ、ショルティ、アバド、プレヴィン・・・。BPOやVPOでも、こんな多種多様な指揮者とは演奏してなかったんじゃないですかね。そのほとんどが指揮者の個性が生きた、ハイレベルの名演だったのですから・・・その面で本当に凄いオケだったと思っています。

>鞍馬天狗 様
こんばんは。コメントを有り難うございました。
ベームとロンドン響のコンビでは、「火の鳥」もありましたね。異色のコンビで話題になったものでした。
当時のロンドン響は、機動力にあふれた俊敏なオケだったという印象です。いろいろな指揮者と、イイ演奏を展開していましたね。特にアバドやプレヴィンとの録音には良いものが多かったと思います。
プレヴィンだとチャイコフスキーの三大バレエ、アバドだとラヴェルの管弦楽曲集とかストラヴィンスキーが印象的でした。思い出深い名演奏だったです。

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