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カラヤン/ベルリン・フィルの「未完成」 シューベルト 交響曲第8番ロ短調

「暑さ寒さも彼岸まで」とはよくいったもので、秋風が気持ちよい涼しさになりました。
彼岸花が綺麗に咲いている畦道をのんびりジョギングしております。
良い季節になりました。

今日はシューベルトの交響曲第8番ロ短調「未完成」。
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏。
1978年の録音、EMI盤の全集からの1枚。

カラヤンがDGだけでなくEMIにも録音していた1970年代、特にその後半にEMIからリリースされた演奏は美麗を極めていたと思う。このシューベルト全集にドヴォルザークの8番・9番、シベリウスのいくつかの交響曲。ワーグナーの管弦楽曲集に、ヴェルディやR・シュトラウスのオペラの数々・・・・・凄かったなぁ。

カラヤンのシューベルトは妖艶な美女。あばずれ。百戦錬磨のバーのマダム。
年増だけれど色気タップリ。お話上手で飽きさせない。熟女の色香がプンプン漂ってくる・・・・そんな演奏。

「今さらカラヤンのシューベルトなんて・・・」職場の同僚で我が盤友は言いますが、なぁに、たまにはこんなのもエエぞい。
オケの巧さは言うまでもなし。美音の洪水であって、官能的な響きが襲ってくる。
ストリングスの厚みと流麗さは絶品。

カラヤンのシンフォニーは砂糖菓子のように甘く、ぬめぬめして、しかも舌先で蕩けて胃の中に流れ込んでゆく。すこしもたれるのだが、それがまた魅力だったりする。
ダイナミックレンジは大きい。弱いところは徹底的に弱く、フォルテでは爆発するような見得を切る。歌舞伎役者のような、演出のあざとさもある。

だから、この「未完成」はコワクない。ケルテスがウィーン・フィルと録音した「未完成」は深い淵がポッカリと口を開けて、そこに吸い込まれてしまいそうな恐ろしい演奏だったが、カラヤン盤は、そういった怖さはない。短調なのに、明るい「未完成」になっている。

この録音、大オーケストラを聴く快感あり。
EMI録音は、ボリュームを大きめにして聴くと良いようだ。コンサートプレゼンスが重視されているのが分かる。DECCAやDGのようなマルチ・モノ的録音を、EMIはしなかったからだろう。

ふだん、シューベルトはカラヤンじゃ聴かないんです。
スウィトナーやブロムシュテット、ホルスト・シュタイン、ジュリーニ、C・デイヴィス。ベームインマゼールももイイし、ヴァント・ムーティだってカッコイイ。

でも、ベーム以外、カラヤン以降の若手たちの演奏は、まだキャバクラのお嬢さん。
綺麗で、涼やかで、可愛らしいかもしれないが、お化粧上手でお話上手なカラヤンの域にはまだまだ及んでいないような気がします。
・・・・と思うくらい、このカラヤンのシューベルトは不思議な演奏でもあります。


AUTHOR: ocip DATE: 09/25/2006 11:00:30 カラヤンの未完成、幼い頃から聞いていました(60年代の録音です)。耳に染み付いています。その後、日本と海外の評論を見るようになって不思議なことがあります。日本では、カラヤンの演奏の色気やレガートが強調して論じられるのに、ヨーロッパでは深みや怖さを指摘しているんです。オズボーンやシュトレーゼマンの本でも、未完成は絶賛されていました。なぜ、こんなに日欧で評価が違うのでしょう。不思議です。
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コメント

>花岡ジッタ 様
今晩は。コメントを有難うございました。
仰るとおりだと思います。特にBPOのEMI録音は良い物がありますね。カラヤンの録音だけでなく、ムーティ、マゼールとの録音も、そうですね。花岡さんに全面的に賛同します。僕はマゼールのブル7・ブル8、大好きです。

忍者ハットリくん、実写版を記憶している世代です。花岡ジッタは、谷村昌彦が演じていましたね。「ズン、ズン、ズンパラリン、チャン、チャン、チャンバラリン」というテーマソングもよく憶えていますよ(^-^)。

こんにちは。

 そうですね、私もカラヤンに関してはまず「色気」「レガート」賛美に近い聞き方をしていると思います。オペラだと、歌わせ方かな。
 ヨーロッパで深み、怖さが言われるのは、直接読んだこともないし、よく分からないんですが、日本の場合は、恐らくはあまりにスタイリッシュに感じられるカラヤンを「華麗なだけで精神性が無い」というように批判する向きがあって、それに対するのがあまりに困難なので(精神性なんて言ったモン勝ちの世界でもありますのでね)、仕方なくそんな風に褒めたというか擁護したんじゃないでしょうか。
 そういう意味では、私などもそういう流れに流されちゃったんでしょうね。。。。。


>Verdi 様
おはようございます。コメントを有難うございました。
カラヤンの演奏は演出巧みで、ここぞというところで、見得を切るような演奏に聞こえます。あざとらしいと云うか、分かりやすいと云うか、俗っぽいところがあって、それが「精神性」云々になったんじゃないかと思います。
華麗で流麗、オケはBPOで抜群に巧い・・・上質の音楽を提供してくれたとは思います。
あ、僕はカラヤン好きです。エントリーの多さでもお分かりになると思いますが。

「アンチ・カラヤン」という言葉があるくらいですから、スゴイ指揮者ですよね。他の指揮者ではあり得ないですね。

色々とご意見やコメントを、ありがとうございます。私がちょっとふれた本には、次のように書かれていました。
シュトレーゼマンの本→「彼のアプローチには説得力があり、いわばシューベルト版『死と変容』が持つあらゆる様相を包含するものである。これ以上に深く、充実した演奏はちょっと考えられない」。
オズボーンの本→「『永遠の姿のもとに』考えられた演奏だった…第1楽章の主旋律は煉獄をかいま見せ、緩徐楽章は徹底して深い悲しみが漂っている…」。
海外の評論では、未完成以外にはブルックナーやプロコフィエフ、ドビュッシーなどがとても高い評価で、エッ?、へ~、という感じでした。

>ocip 様
コメントをさらに有り難うございました。
ご紹介いただいた、シュトレーゼマンの「シューベルト版『死と変容』が持つあらゆる様相を包含するものである」とか、オズボーンの「緩徐楽章は徹底して深い悲しみが漂っている・・・」の部分は、ああ、なるほどなぁと思いました。
そういう風に聴くのも確かにあるなぁと思いました。
ブルックナーやドビュッシーも評価が高いんですね。日本では必ずしも高いとは云えませんから、日欧の違いとはいえ面白いですね。
ボクはカラヤンのブルックナーも結構好きですよ。ドビュッシーは、ちと重いような気がするんですが(BPOとやったヤツです)。

うわ、実写版ハットリくんご存知でしたか、さすがですね。前川陽子さんの唄、小川寛興さんの曲、ともども大好きでした。CDも持ってます。小川さんはこの頃「遠山の金さん」や「忍者マーチ」といった忘れがたい作品を書かれた頃でした。ドラマの方は若き頃の杉良太郎扮するケムマキのやたら太い眉毛が印象に残っています。40歳未満だと実写版ハットリくん=香取慎吾になっちゃうんでしょうね。話が脱線してきたのでこのへんで。

>花岡ジッタ 様
そうです、ケムマキケンゾウは杉良太郎でした。「忍者マーチ」は、仮面の忍者赤影でしたね。青影の「だいじょうぶ」のポーズなど懐かしいですね。
あの頃は、忍者ブームでした。「伊賀の影丸」人形劇版、「風のフジ丸」、「隠密剣士」、そして「忍者部隊月光」まで・・・・・テレビっ子のボクはよく観てましたよ。
古い話でした。

mozart1889 さま こんばんは。

私もカラヤンの演奏は好きです。特に『70年代のカラヤン』と呼ばれる一連の録音(ほとんどはEMI録音を指しますが)は、どれも独特の『色気』があると思います。特に緩徐楽章は引き込まれるような『怖さ』を感じます。
ブルックナーも『4,7番』のEMI録音はDGG録音とは比較できない大変深く大きな魅力を感じます。
ちなみに、『指輪』全曲録音もEMIとしていたなら印象が相当変わったと思います。

私も『忍者ハットリくん』実写版、モノクロTVのかすかな思い出があります。あの大きな顔だけが・・・。

>あるべりっひ 様
いつもコメントを有難うございます。
カラヤンのEMI録音は、確かに色気がありますね。残響がイイです。
ブルックナーの4番・7番もイイんですか。これ、録音があるのは知っているんですが未聴なんです。ふだんはDGの全集盤で聴いているんです。
ムム・・・これは聴いてみなくちゃイケマセンね。

あ、指環がもしEMIだったら・・・・・・全く同感です。

カラヤン/BPOのEMI録音はあまり聞いたことがないのですが、「特にBPOのEMI録音は良い物がありますね。」という一連の話題から、クレーメルがデビュー時にカラヤン/BPOと入れたブラームスのヴァイオリン協奏曲のLPを思い出しました。父がクレーメルを聞きたくて買ったもので学生時代に帰省して初めて聞いたとき、冒頭からBPOのオケの分厚いスケールが雄大なうねるような音楽が凄いと感じました。また、既出のヴァーグナーのオーケストラ曲集(LP2枚)もローエングリンやパルジファルの繊細さ、オランダ人の勇壮さなど凄いと思います。

>望 岳人 様
こんばんは。コメントを有り難うございました。
クレーメルとの共演盤、持っていないんです。聴いてみたいですね。
ヴァーグナーは、これ名盤ですね。録音も残響豊かで、素晴らしい音で聴けます。
演奏も素晴らしいので、よく聴きます。

最近ですが、私はそのカラヤンのシューベルトの全集にハマっています。なんせ面白い!シューベルト!頑張れ!こうやればいいんだ!と後ろから鞭でひっぱたきながら演奏している感じです。しかしシューベルト自身交響曲に強い想いがあったので、それが悪く感じないんですよね。
 私もベームやインマゼール、スウィトナー、アバドと聞きましたが、特に初期の交響曲で、こういう作曲者の工夫や強い思いをそのままストレートに表現しているのはカラヤンくらいでした。
 ただ録音した場所がイマイチ合っていないのが問題です。ベルリンフィルのホールはシューベルトに合っていない気が・・・。そのため柄が大きく感じる人も多いと思います。たぶん様々な誤解はここから出ているのでしょう

>べっく 様
おはようございます。コメント感謝です。有り難うございました。

カラヤンのシューベルト、「後ろから鞭でひっぱたきながら演奏している感じ」・・・・・なるほど言い得て妙ですね。僕はカラヤンの手練手管がとても面白く、化粧上手なシューベルトを楽しんでいます。
初期の交響曲も立派に聞こえますね。素朴と云うより、堂々とした交響曲になっているのが、カラヤンの凄いところだと思っています。

ただ、録音はおっしゃるようにイマイチでしょうか。
フィルハーモニー・ホールではなく、昔のキリスト教会の方が良かったでしょうか・・・・・。

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