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ルプー/プレヴィンのグリーグ ピアノ協奏曲イ短調

今日は爽やかな音楽を抒情派ピアニストで聴きます。

グリーグのピアノ協奏曲イ短調。
ラドゥ・ルプーのピアノ独奏、アンドレ・プレヴィン指揮ロンドン交響楽団の演奏。
1973年録音のDECCA盤。
購入して25年、愛聴盤であります。

ルプーのピアノが流れると、部屋の中が涼しくなる。
冷涼な空気が入ってくるかのようだ。
優しく暖かい音色。澄んだ高原の空気のような、初夏の光る朝露のような、何とも清々しいピアノで、気分が良くなる。ミントの香りのような。スーッとする感覚と云ったら良いだろうか。
そして、時にピアノが泣く。涙を流す。
ヴァイオリンがむせび泣くのはよくある話だが、ルプーのピアノは涙を流す。抒情が一杯詰まっている。感傷的な雰囲気も漂う。
しかも感興に富んで、ニュアンス多彩。表情も刻一刻と変化してゆく。
素晴らしいピアノだと思う。

さて第1楽章。新鮮な、生まれたばかりのような音、極上のピアノが鳴り渡る。
オケも素晴らしい。プレヴィン/LSOがとても優しく伴奏を付ける。木管のデリカシーはプレヴィンならではだし、弦楽器群の柔らかな響きも格別。
何よりピアニストと指揮者・オケの一体感が素晴らしい。プレヴィンは本当に合わせものが巧い指揮者だと思う。

第2楽章冒頭、あの懐かしく優しい響きのストリングス。プレヴィンはこの旋律を美しく、はかなく、これしかないテンポで歌わせる。
そこに弱音で滑り込んでくるルプーのピアノが、キラキラと光がこぼれ落ちるような輝き。やがて、ピアノとオケの美しく抒情的な会話が始まる。
音楽は北欧のムード満点。部屋が涼しい空気に満たされてゆくような感じ。何という抒情的な音楽をグリーグは書いたのだろう・・と思う。

終楽章でもピアノの抒情性は変わらず。フルートなどの木管楽器が涼やかに、時に華やかに鳴り響く。第2主題などため息が出る美しさ。
コーダでの豪快な盛り上がりがまた見事だが、音楽のフォルムは崩れない。スタイリッシュな仕上げと云っていいかもしれない。颯爽とした若武者の、夢見るような覇気が伝わってくる演奏。


この演奏は、美しい青春の音楽であります。
ピアニストも若いし、指揮者も若かった。若いときにしか出来ない演奏であります。
光り輝く、しかし青みがかった鮮烈さ。この若さはかけがえのないものです。


録音から30年以上過ぎて、しかしまだ最高の水準を保っています。
DECCAらしく鮮やかな音づくり。今も全く色褪せない素晴らしい録音ですな。

カップリングはシューマンのピアノ協奏曲。これも名演です。


AUTHOR: よし URL: http://otsusan.cocolog-nifty.com/genki/ DATE: 06/08/2006 08:15:23 これはLPを持っていましたがCDも買いました。
グリーグは文句のない名演ですね。
2楽章はダイアナ妃の葬儀のときに流れて居たような気がするのですが・・・
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コメント

>take3 様
おはようございます。コメントを有り難うございました。
お久しぶりです。
ルプーやマタチッチ・・・・最近の演奏より、昔の演奏ばかり聴いてしまいます。
(30年も前だと昔になってしまいますね)
ルプーのグリーグは今も代表盤だと思います。
爽やかな演奏・・・・「1000人にひとりのリリシスト」というコピーにふさわしいですね。

ルプーを最初に聞いたのは遙か昔の高校時代。
音楽の時間に先生がかけてくれたベートーベンの悲愴ソナタでした。
特に3楽章の独特のリズム感に強烈な印象を覚えました。
その後、シューベルトの即興曲なども、随分聞きましたっけ。
(当時は猫も杓子もシューベルト=ブレンデルだったような。)

>corkboy 様
コメントを有り難うございました。
ルプーのシューベルトは天下無双の名演だと思います。
ソナタの幾つか、そして即興曲など、今も大切に聴いています。
(ブレンデルももちろん素晴らしいんですが・・・・・実はブレンデルも好きです)
悲愴を含む三大ソナタも聴きますが、少し蒼すぎるような気もします。
このグリーグは、僕にとって最高のルプーです。

トラックバックありがとうございました。

この曲って、やはり若いピアニストの演奏が似合うのでしょうか? 何となくそんなイメージがありますね。このルプー盤はもちろん、リパッティの古い録音なんかも印象に残っています。ただ、思い出してみると私のこの曲の初体験はルービンシュタインだったような・・・。これはこれで貫禄たっぷりの名演だったように思います。同じく大家ではアラウの古い録音(リパッティ盤でも好演していたガリエラの指揮とフィルハーモニア管の演奏がまた素晴らしいんです)も意外に好きだったりします、って、古い人の話ばかりですみません・・・。

>goo1611 様
おはようございます。こちらこそ、コメントを有り難うございました。
ルプーのグリーグ&シューマンの協奏曲は、大好きな演奏です。思い出深い1枚でもあります。
曲想がヒンヤリしているんでしょうか、とても冷涼な空気が聴いていると部屋に流れてきます。若いピアニストに会いますね。
アラウの演奏ですと、ガリエラ盤は聴いたことがないんですが、ドホナーニの指揮、C・デイヴィスの指揮、2種類を持っています。LP盤のドホナーニとの共演盤が素晴らしい音で感動的と思います。

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