スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

マタチッチのブルックナー 交響曲第5番変ロ長調

ブルックナーの交響曲を聴くのは大河小説を読むような感じ。
あるいは、音の大建築・大伽藍をゆっくり見てまわる感じ。
そういえば、のんびりと野山を散策するような感じもあるな・・・・・。

今日はその中でも、大伽藍交響曲・・・とでも云うべき音楽。

ブルックナーの交響曲第5番変ロ長調。
ロヴロ・フォン・マタチッチ指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏。
1970年11月、プラハの芸術の家での録音。DENONのクレスト1000シリーズで購入したが、本来はSUPRAPHON原盤。

ライナーによれば、楽譜は原典版を基調に、一部改訂版を用いているとのこと。ボクは楽譜のことがよく分からないので、偉そうなことは云えないのだが、時々「あれ?」というところがあって(ティンパニの強打とか)、面白かった。
それにマタチッチらしい、テンポの揺れ、壮大なスケール、迫力十分のオケの響きなど、とても楽しめる演奏だと思う。
録音も良い。1970年というのに、ちっとも古くない。現役盤の中で十分にやっていける。ホールトーンが美しく、いかにもブルックナー的な残響の中に身を浸す快感がある。

第1楽章のスケール雄大な開始。トランペットが朗々と鳴る、その音の美しいこと。それに、よく言われることだが、チェコ・フィルの弦が良い。穏やかでほのかに甘く、決してハデではないのだが、よく響く芯のある音色。やや軽めの音色もとても綺麗。
マタチッチのテンポは堂々とした王者の歩み。金管の咆吼は逞しく、男性的な鳴りっぷり。長大で堅牢なこの交響曲の第1楽章として、見事な開始だと思う。
楽章の終盤で、「お?」と思わせるアッチェランドがあったり、楽章ラストは強烈な音。もの凄い締めくくり。

第2楽章は、さらに遅く、美しいアダージョになっている。
弦のピチカートに乗るオーボエの淋しさ、美しさ。その後に出てくる弦のトゥッティが、荘厳な響きをつくり出す。教会での祈りの表情か。カトリックの大聖堂を思わせるような壮大な響き。敬虔な音楽。ああ、これがブルックナーの声だと思う。
チェコ・フィルのストリングスが素晴らしい。穏やかで慎ましく、何とも云えぬイイ音。ギラつかず、上滑りにならず、心のこもった音。弦の間から哀しみさえ漂ってくる。
マタチッチの指揮はおおらかなもの。細部に拘泥せず、大局的な指揮というべきかな。
フレージングが実に気持ちいい。ホンマ、ゆったりとした気持ちで聴ける。マタチッチのバトンのおかげだろう。

第3楽章は快速のスケルツォ。推進力のある迫力満点の音。4つの楽章の中では最も短い楽章(11分)なのだが、あまり速く感じないのは、音楽の中身が一杯に詰まっているからだろう。チェコ・フィルがよく鳴って、スケール豊かで壮大な音楽。

終楽章は今までのエピソードが次々に現れてくる楽しい楽章。そして、一部改訂版を用いているためか、テンポが良く動き、ラストなど壮大な盛り上がり、ちとやり過ぎかいなと思わせるところもある。コーダなど、激烈な演奏。
マタチッチは貫禄十分。ド派手なところ、やりたい放題のところもあり。
しかし、この長大な交響曲を見事に、雄大に、豪壮に、締めくくる。

ああ、良いブルックナーだったなぁ。
マタチッチは、素晴らしいブルックナー指揮者だったと思います。



AUTHOR: 吉田 URL: http://beethoven.blog.shinobi.jp/ DATE: 06/07/2006 17:33:19 mozart1889さん、こんにちは。
私も、「クレスト1000シリーズ」で聴きました。
マタチッチのブルックナーはスケールが大きくて、聴き応えがありますね。
チェコ・フィルの響きもコクがあるし、録音も堅すぎず柔らかすぎず、ブルックナー
の演奏には最適だと思います。
スポンサーサイト

コメント

こんばんは。
マタチッチのブルックナーは同じチェコフィルの7番も大好きです。5番は、結構マタチッチの改訂も入っているようで、最初、違和感ありましたが、なれてしまうと、これじゃなきゃと、むしろねじ伏せられるような演奏ですね。
こんなスケール大きく、自在のブルックナーをやる人はあまりもう居なくなってしまったのでしょうかね?

garjyu

>吉田 様
おはようございます。いつもコメントを有り難うございます。
マタチッチのブルックナーは独特のスケール感があってボクは好きです。
包容力に富んでいて、時に一気に盛り上がる躍動感もありまして、ああマタチッチはブルックナー指揮者だったんだなぁと思うんです。
チェコ・フィルの音も実によかったですね。同感です。

>stonez 様
おはようございます。
この頃ブルックナーの5番をよく聴きます。壮大な建築を仰ぎ見るような、あるいは中世の城塞の風情を感じるような、素晴らしい交響曲だと思います。
マタチッチのブルックナーはスケール大きく、とてもイイ演奏でした。
1000円で買えてしまうのが凄い時代ですね。

>yurikamome122 様
TB有り難うございました。当方もよろしくお願いします。
ブルックナーの5番は、渋い交響曲だと思います。若い頃は、本当に分かりにくい交響曲で、実は聴き始めたのは最近なんです。
トシを取ると、この渋さがエエ感じになります・・・・・。

>gariyu 様
コメントを有り難うございました。
おっしゃるとおり、改訂版が入っているようです。ライナーノートにもその旨が記してありました。
僕はあまり気にならずに聴けました。スケール雄大な演奏に感動したからだと思います。7番も良かったですね。結局DENONの579番、みんな良かったように思います。

mozart1889さま、こんばんは。

たびたびお邪魔します。

この演奏は確かLPで買ったような気がします(昔なのでよく憶えてません)。毎日聴いていました。

最近クレストシリーズで買ったので昔に戻った気分です・・。

チェコフィルらしい温かい音楽で私は大好きです。

あまり国際化して欲しくないオケですね。

>ニョッキ 様
おはようございます。コメントとTBを有り難うございました。
僕はマタチッチのブルックナーはクレスト1000シリーズで知りました。
開眼、遅かったです(^^ゞ。
スケール雄大なブルックナー、チェコ・フィルの音もエエですね。
CDが安くなって、ホンマに助かります。

ブルックナー作曲、交響曲第5番

PING:
BLOG NAME
今日はいい天気でしたナー。帰り掛けおでんとビールで一杯。お酒はビールですな、やはり。おでんの玉子と大根旨かった。絶品でした。そう言う季節ですね。今日の1曲、ブルックナーの5番。ヨッフム爺さん指揮ドレスデンのヤツ。この曲はもうヨーロッパの名教会のステンドグラスと壁画の世界。そして最後は天使が「聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな、万軍の主、その光栄は全地に満つ」と飛び回る。メロウで決して金管の強奏に決して負けない部厚い弦に支えられ神の啓示のトロンボーンとそれを讃える角笛とファンファーレ。"おお、神よ!!...

クラシックCD紹介その149(ブルックナー 交響曲第5番変ロ長調)

PING:
BLOG NAME
今日は少し私の音楽活動について話したいと思います。
今趣味でオーケストラに所属しホルンを吹いていますが、所属オケは設立から20年。某大学のOBオケとしてスタートし、数年後に一般に開放。
年1回の定期演奏会をほぼ毎年東京芸術劇場で行っていて別に1回....

コメントの投稿

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。