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~ホルスト・シュタインを悼んで~ ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」 グルダ(Pf)VPO

ホルスト・シュタインの訃報が届きました。7月27日、スイスで亡くなったそうです。享年80。NHK交響楽団の名誉指揮者であり、バイロイト音楽祭の常連・ワーグナー指揮者でありました。

シュタインの遺したレコードにはイイものが多いんですが、今日はその中でも傑作を。

ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品73「皇帝」。
フリードリヒ・グルダのピアノ独奏、ホルスト・シュタイン指揮ウィーン・フィルの演奏。
1970年6月、ウィーンのソフィエンザールでの録音。DECCA原盤。
今日聴いたのはキング・レコード発売のLP。懐かしい1枚でありますな。

録音からもう40年近く。今も最高の「皇帝」の一つと僕は確信する。
ピアノ、オーケストラ、録音の三拍子揃った名演中の名演。

グルダのピアノは自由闊達で実に溌剌、それでいて伝統的・正統的な格調の高さを兼ね備えていて、全くの名演。現代的なしなやかさと伝統の重みを高次に止揚させた演奏と云うべきか。ベーゼンドルファーの深々とした響きも素晴らしい。

オーケストラも最高。ウィーン・フィルの艶やかで芯のある響き、特に弦楽セクションの、輝かしく濡れたような潤い感がさすがだし、音楽が実に豊麗。シュタインがウィーン・フィルの美しさを全て引き出している感じ。時に豪放、時に穏和、素晴らしいと思う。

第1楽章から正々堂々とした演奏。王者というより、貴公子の歩み。
若々しく鮮やかなグルダのピアノ。響きはとても綺麗。録音が良いので、ベーゼンドルファーの包容力のある音をこころゆくまで堪能できる。
ウィーン・フィルの匂うような音も良い。管楽器の独特の輝きは、いかにもウィーン・フィルだなぁと思う。

第2楽章はここから歌うアダージョ。グルダのピアノはたっぷりとよく歌い、オーケストラがそっと寄り添う。見事な協調、協同の演奏と思う。シュタインの指揮は格調高く、通して美しい。

フィナーレではグルダのピアノがノリノリで進んでゆく。天馬空を行く演奏とは、こういう演奏を云うのだろう。ウィーン・フィルの美しさとともに、いつまでも聴いていたい、終曲を迎えるのが惜しいと思わせられる演奏。

録音は今も輝かしく、DECCAらしい鮮烈さです。
奥行き、立体感・音場感、そして高音の伸びと艶、低音のふくよかさ、どれをとっても、今も最高水準と思います。
素晴らしい録音でありました。


<ホルスト・シュタインの過去エントリーであります>
■ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番(グルダ、VPO)
■ブラームスの交響曲第2番(バンベルク響)
■シューベルトの交響曲第4番「悲劇的」(バンベルク響)
■ブラームスの交響曲第3番(バンベルク響)
■ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番(グルダ、VPO)
■シューベルトの交響曲第1番(バンベルク響)
■ワーグナー名演集(VPO)
■ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」(バンベルク響)


AUTHOR: 吉田 URL: http://beethoven.blog.shinobi.jp/ DATE: 07/30/2008 09:27:21 こんにちは。
シュタインのことは昨日の夕刊で知りました。「世界的ワーグナー指揮者」とありましたが、一時期はバイロイトの常連でした。学生だった冬休みにごろごろ寝転がって聴いていたものです。
「皇帝」、グルダのピアノもよいですが、オケの活気が素晴らしいものです。ウイーンフィルをこれほど生き生きと鳴らすことのできる指揮者は、いそうでいないですね。
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コメント

これ、学生時代に無理して全集を買いました。
4枚組6000円くらいだったと思います。
当時はベートーヴェンをよく聴いていたんですよ。

最近はヴァイオリン協奏曲を聴くことが多いです。
バルトーク、ベルク、ヤナーチェク、シェーンベルクなど。
どうしても近現代に偏ってしまいます(^^)

.....E.T.、母星に帰る......(ボカスカ)
N響で何度か聞かせて貰いました。N響に来る指揮者の中では、結構好きな一人だったのですが、とうとう逝かれましたか。体調を崩して、もう客演は覚束無い、と聞いた時も残念でしたが.........合掌

 グルダも、もう亡くなって何年になるんでしょうね。10年にはなりますか。

こんばんは、シュタイン氏の話題ということでTBさせて頂きました。
私にとっては録音や映像の中でのわずかな印象しかないのですが、とにかくあの重厚でスケールの大きな演奏はお気に入りでした。
エントリーされたグルダとのコンチェルト、ぜひとも聴いてみたいものです。

>吉田 様
おはようございます。コメントを有り難うございました。
シュタインはバイロイト音楽祭の常連、NHKのFM放送では随分エアチェックさせてもらいました。イイ指揮者だったですね。
グルダとのベートーヴェンも本当に素晴らしい演奏でした。
この人のベートーヴェン交響曲全集を聴いてみたかったなぁと思います。
ブラームスとシューベルトの全集が実によかったので、惜しいなぁ・・・・ベートーヴェンも聴きたかったなぁと思うのです。

>ensemble 様
おはようございます。コメント感謝です。
グルダとのベートーヴェンは、今も最高の名盤、最も大切にしているピアノ協奏曲全集です。
同好の方がいらして嬉しいです(^^)V
シュタインの独特の風貌も懐かしいです。

>hsm 様
コメントを有り難うございました。
そうそう、ホルスト・シュタインはスイス・ロマンド管の指揮者をしておりましたね。何度かFMで聴いたことはあったように思うんですが、チャイコフスキーなどもあったですか。それは聴いてみたかったです。
シュタインの振る独墺系音楽は重厚で正統的な演奏でした。「エロイカ」も良かったですし、ブラームス全集も実にドイツ的でした。
イイ指揮者だったですね。合掌であります。

>Summy 様
コメントを有り難うございました。
グルダとシュタインのベートーヴェンは今もLPで愛聴しています。1~4番までは3枚で各1,500円、「皇帝」はレギュラー盤2,300円でした。
DECCA~キングの名盤ですよね。最も愛するレコードの一つなんです。

ヴァイオリン協奏曲、近現代ものは苦手です。食わず嫌いかもしれないんですが・・・・・(^^ゞ
Summyさんの嗜好は広いですね。流石だなぁ・・・・・・・。

>Verdi 様
おはようございます。ET氏、故郷に帰還・・・・・ですねえ(^^ゞ。
グルダも死んで8年、シュタインも亡くなって、いよいよこのベートーヴェンも、古いLPになってしまった感があります。
しかし、今も最高の演奏と僕は確信してます。大切にしたい演奏です。

しかし、あの独特の風貌での指揮、もう見られないんですよねえ・・・・・。
合掌であります。

>stonez 様
おはようございます。コメント&TBを有り難うございました。
ホルスト・シュタイン、いい指揮者だったですねえ。独墺系の演目はホンマに素晴らしい演奏でした。N響が実に重厚に鳴ったもんですよね。
グルダとシュタインのベートーヴェンは、僕にとっては今も最高の演奏、大切にしたいピアノ協奏曲全集です。

こんばんは。シュタインの逝去は、忘れた頃にやってきて、日本のオケファンのとっては、とても寂しい出来事となりました。
デッカへのワーグナーやご紹介のベートーヴェン、ブルックナーはウィーンフィルとともにかけがえのない音源となりましたね。
このコンビの4番もいいですよね!
TBさせていただきました。

>yokochan 様
おはようございます。コメント&TBを有り難うございました。
ホルスト・シュタイン、いい指揮者でした。
おっしゃるように、DECCAへのブルックナーやワーグナーはかけがえのない音源になってしまいました。グルダとのベートーヴェンはもう最愛のセットでして、長く聴き続けたいと思います。
ブラームスやシューベルトなども良かったですが、どうもブラームスの交響曲全集は入手が難しいようですね。

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