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モーツァルトのピアノ協奏曲第27番 K.595 カーゾン(Pf) ブリテン/イギリス室内管

気温が少し下がって、春まだ浅き休日。
家人は長男の卒業式のために大阪豊中へ。次男坊も同じ豊中の下宿なので、下宿の掃除を兼ねてであります。
雨がしとしと日曜日、僕は一人でクラシック音楽を聴いておりました。
(君の帰りを待っていた・・・・・ではありません。古いな(^^ゞ。これ、若い人には分からないフレーズでありましょう)
そんな日に似合いそうな音楽ということで、僕はモーツァルトのK.595を取り出したのです。モーツァルトが生涯にわたって書き続けたピアノ協奏曲の、最後の作品。

モーツァルトのピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 K.595。
サー・クリフォード・カーゾンのピアノ独奏、ベンジャミン・ブリテン指揮イギリス室内管の演奏。
1970年9月、スネイプ、モールティングス・コンサートホールでの録音。
DECCAの国内盤で、1,000円の廉価盤。

第1楽章、カーゾンのソフトなタッチがとても美しい。コロコロと転がりながらよく響く音。研ぎ澄ましたような音ではなく、程よい感じに磨いた音。あまりツルツルにせずに、自然の蝕感を残しておいた感じの磨き方。冬が終わって、待ちわびた早春の柔らかい日差しを思わせるような、ほの暖かいピアノの音。
特に美しいのは7分30秒ころの、弦とピアノが一体となってフガート風に演奏するところ。絶品と思う。
カーゾンは余裕十分で、包容力のあるピアノを聴かせてくれる。ゆったりとしたテンポと穏やかな表情で、大人の寛容のようなものを感じさせてくれる。速すぎず遅すぎず、聴いていて実に心地よい。そして時々現れるルバート風の音楽が、またたまらない魅力。カーゾン晩年の境地と云うべきか。カーゾンは録音嫌いだったというから、このCDは貴重と思う。

第2楽章のラルゲットは、ブリテン/イギリス室内管が作り出す響きが印象的。たっぷりとして、ひそやかで、そして清潔で上品、涙が出るほど美しい管弦楽。
カーゾンのピアノは淡々としているのだが、だからこそ寂寥感が増してくる感じ。清らかで、透明で、瑞々しい音もイイ。特にピアニシモが綺麗。そしてそのかそけき音に反応するオケも素晴らしいと思う。ブリテンの指揮の賜物か。
楽章の最後の方で、フルートとピアノのユニゾンのところなど、最高に美しい。

フィナーレはアレグロ。永遠のロンド。
長調なのに哀しい、明るいのに寂しいという、彼岸の境地と云うべき音楽。あ、モーツァルトはキリスト教徒だから、天国的な音楽と言うべきか。
カーゾンのピアノは相変わらず瑞々しく、そして小粒でよく響く音で、この天国的な音楽を慈しむように弾いていく。英国紳士の誠実さを感じさせる見事な演奏と思う。

録音は上々です。
40年前のものとは思えない、瑞々しさがあります。
さすがDECCA、エエ録音と思います。


AUTHOR: ひろはや DATE: 03/24/2008 06:24:47 おはようございます。
モーツァルトのピアノ協奏曲第27番は、ご紹介の盤は未聴ですが、同じカーゾン(P.)のハイティンク/ACO盤(1972.12.22Live)を持ってます。ハイティンクの14CDBOX(LIVE /The Radio Recordings) の中(CD1)にありますが、暫く忘れておりました。この機会に聴くことが出来てうれしいです。
カーゾンは、他にブラームスのピアノ協奏曲第1番をセル/ロンドン響(1962.5)で持ってますので、あわせて聴いてみようかな。
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コメント

こんばんは。
今日、仕事から帰宅すると、可愛がっていた手乗り十姉妹の「なぎ」が亡くなってました。悲しみの中、家内と一緒に手厚く葬ってあげたところです。
今頃、「なぎ」も、P協奏曲第27番の純白の響きに送られて、天国に召されていることと思います。
カーゾン盤は未所有なので、同じイギリス室内管をペライアが弾き振りした盤で聴いています。ペライアの透明感あふれるピアノの音色と、イギリス室内管の清楚な響きのせいか、第27番が敬謙な祈りの曲に聴こえてきます。

ご無沙汰いたしております。
カーゾンの第27番の「スタジオ録音」は3回おこなわれているようですね。第1回がセルと、第2回がケルテスと、そして第3回目がこのブリテンと・・・はじめの2つは演奏者による発売OKが出ず、3度目がこのブリテンとの録音・・・しかし、それでもカーゾンがOKを出したのは録音から何年も経ってから渋々と、だったらしいのですが。もちろん素晴らしい内容です。
 カーゾンが、ケルテスやクリップスと録音した第24番も手もとにあるという方が多くいらっしゃると思いますが、第3楽章の非常に短いカデンツァがどうやらセルによるものらしいので、お暇なときにでも耳傾けていただければと思います。非常に短くあっけないものですが、カデンツァをはさんだ前後の変奏の流れを聴き手の脳裏から奪うことのないものを考えたのではないかと、素人であるわたくしは思っているのですが。

この演奏は私も愛聴しています。カーゾンのピアノもブリテンの指揮も、両方とも素晴らしいと思います。
カーゾンはセルとの共演盤もあり、こちらもよく聴いています。
27番には特別な思い入れがあるものですから、カサドシュ/セル、バレンボイムの弾き振り(ECO)、ギレリス/ベーム、内田光子/テイトなども手元に置いて「彼岸」の情景なぞ思い浮かべながら聴いています。

たしか、初出は82年11月(オリジナル英盤)。
82年9月1日急逝したカーゾンの追悼盤だったように思います。日本では83年2月の発売、大好きな27番です。カーゾンは生前に発売許可を出していたとのことです。エンジニアは、ウィルキンソンですネ。
一つ一つの音の響きが心に染み込んできます。この演奏への言葉を私は知りません。
クーベリックとのライブ盤は、この演奏よりもっと繊細な世界を創りだしています。それは、踏み入ってはいけないギリギリの世界、ひょっとしたら半歩踏み込んでいるような気がします。

>ひろはや 様
コメント感謝です。いつもお世話になります。
カーゾンとハイティンクのライヴ盤があったんですか。知りませんでした。僕は実演盤をあまり買わないので、どうも情報に疎くなります。それ、聴いてみたいですね。
ブラームスの1番協奏曲、昔からその存在を知っているんですが、買いそびれていました。これも聴いてみたいなぁと思います。

カーゾンの淡麗なピアノ、美しいなとつくづく思います。

>天ぬき 様
おはようございます。コメントを有り難うございました。
ああ、まさに論語の一節が相応しいですね。おっしゃるとおりだと思います。カーゾンは、おそらく、その達人の境地に入っていたんでしょう。ピアノだけでなく、人生の達人の美しい演奏と思いました。いや、美しく演奏しようと思わないけれども、弾いていると、自然に美しいものになる・・・・。そんな感じでしょうか・・・・。

>吉田 様
コメントを有り難うございました。
吉田さんの愛聴盤でしたか。同好の方がいらして嬉しいです。
(もっとも、僕は時々他の演奏家に・・・・内田光子やグルダやブレンデルなどに浮気しておりますが・・・・・(^^ゞ・・)
ブリテン/イギリス室内管の伴奏も良かったです。イギリス室内管は、バレンボイムやペライア、内田光子とも録音しているんですが、ブリテンとの伴奏が一番エエように思います。

>ヤマちゃん 様
十姉妹、残念でした。
27番の協奏曲は、祈りのような音楽でもありますね。第2楽章など、感動的です。
ペライア盤は。CDとしては初めて出た全集盤だったです。無理して買いました。懐かしいです。ソニーも当時としてはかなり安い価格設定で発売したんですが、今思うと、高価でした・・・・・・(・_・、)

>クラシカルな某 様
コメント感謝です。また、貴重な情報を有り難うございました。
24番協奏曲のカデンツァ、セルのものだったんですか。これは心して聴いてみなくちゃイカンですね。これからじっくり聴いてみます。
カーゾンの録音嫌いは今思うと残念です。もっとモーツァルトを遺してくれれば良かったのに・・・・・、つくづく惜しいです。
そのくらい、彼の協奏曲は素晴らしかったです。
この曲では、ブリテンの指揮がまた素晴らしく、いつ聴いてもエエなぁと思うんです。

>hiromk35 様
コメントを有り難うございました。
カーゾン盤、お好きな方多いですね。同好の方がいらっしゃること、僕はホンマに嬉しく思います。
この27番を作曲していた頃、モーツァルトは自分の死を意識していただろうと思います。彼岸の境地とはよく言ったもので、ぼくもこの曲を聴きながら、アチラの世界を思ったりします。
ペライアに内田光子、バレンボイム(この人はECO盤もBPO盤もエエです)、僕も大好きです。

>あるべりっひ 様
コメントを有り難うございました。いつもお世話になります。
また、さすがあるべりっひさん、録音と発売の詳細な情報、ありがとうございます。なるほど、名エンジニア・ウィルキンソンでしたか・・・・。
クーベリック盤は未聴です。
ギリギリのところから、アチラの世界・・・・・これは聴いてみなくちゃイカンですね・・・・・・。

いつもお世話になります。
この演奏は
やはり、カーゾンのピアノも素晴らしいのですが
ブリテンの指揮の良さと、イギリス室内管との相性ですね。
ブリテンは作曲家なので、当然ピアノも、うまいのでしょう。
指揮も、うまいし。
作曲、ピアノ、指揮。
どれも、優れていることは
やはり、最高の音楽家であると、断言できると思いますね。

mozart1889さん、こんにちは。
お元気ですか?
私は桜の花が、満開になるのを待ちわびている今日この頃です。

ピアノ協奏曲27番ですが、残念ながらまだ未聴です。
モーツァルト最後のピアノ協奏曲なんですね。
「天国的な音楽」ですか・・・なるほど・・・
拝読させて頂きながら、曲を想像しております。

年度末で、お仕事の方もお忙しいと思いますが、どうぞ御無理されませんように・・・

>猫よしお 様
この演奏の伴奏、素晴らしいと思いました。
イギリス室内管はバレンボイムやペライアの弾き振り、内田光子盤でのテイト指揮・・・いろいろモーツァルトの録音がありますが、このブリテン指揮の演奏がもっとも良いように思いました。
さすがだなぁと思っている次第です。

>yuri 様
年度末の忙しさで参っております。コメント感謝です。
四国伊予路の桜はようやく咲き始めです。今年は東京の桜が随分速いようですね。満開だとのニュースを見て、都会の方が暖かいのかなと思っています。こちら、花見は4月5日6日の週末が盛期でしょう。

さて、モーツァルトの最後のピアノ協奏曲、名曲だなぁと思います。「彼岸の境地」と云えそうなくらい、独特の諦観・達観が聞こえてきます。
白鳥の歌でしょう・・・・・。

yuriさんこそ、年度末の忙しいとき、お元気でいらしてください(^^)V

mozart1889さん、こんにちは。
いつも温かい御返信を下さって有り難うございます。
お優しいお人柄が、文面から手に取るように伝わって参ります。
しばらく、お休みされるとの事、寂しく思いますが仕方ありませんね。
いつか、またmozartさんとこのようにお話出来る日を、楽しみにしております。

>yuri 様
こんにちは。
こちらこそ、いつも暖かいコメントを有り難うございます。

いや、しかし、僕はそんなに優しい人柄ではないですので、あまり誤解せんといてください(^.^)。

四国伊予路は桜満開です。今日は久しぶりに休みが取れましたので、桜の下で昼飯を食っておりました。
良い季節になりましたね。

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