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モーツァルトのクラリネット協奏曲 プリンツ(Cl) ・ ベーム/ウィーン・フィル

秋深し。
今日はしっとりとした音楽を聴きたい気分であります。

モーツァルトのクラリネット協奏曲 イ長調 K.622。
アルフレート・プリンツのクラリネット独奏、カール・ベーム指揮ウィーン・フィルの演奏。
1972年9月、ウィーンのムジークフェラインザールでの録音。DG盤
プリンツにはミュンヒンガー/VPOとの演奏もあった(DECCA)。

プリンツのクラリネットはウィーン風。エーラー管の音がふくよかで美しい。この音が聴きたくて、しばしば僕はプリンツ盤を取り出す。ミュンヒンガーとの共演も美しいが、今日はベームとのDG盤で。
これは、おそらく人口に膾炙した名盤。

この曲は、モーツァルト最後のコンチェルト。いわば、「白鳥の歌」だから、あまりゴテゴテと飾り立てる演奏では困る。華美に奔らず、着実堅実で淡々とした味わいの演奏の方が良い。プリンツのクラリネットは、まさにそういう演奏。

第1楽章アレグロは、しっとりと落ち着いた響きが素晴らしい。ベーム/VPOの伴奏は格調高く、背筋が伸びて端正そのもの。贅肉のない、引き締まった伴奏なのだが、音そのものはVPOの響きが柔らかく、雰囲気豊か。
プリンツのクラリネットもしっとりと濡れたような、暖かいソロで心地よい。一つひとつの音符を大切にしている感じが伝わってくる。

第2楽章はアダージョ。
これは美しい。全く美しい。この世のものではないような美しさ。モーツァルトは、最後にこんなに澄み切った彼岸の境地に達していた・・・・・・。
ゆっくりと穏やかに歌うクラリネットが感動的。涙なしには聴けない、モーツァルトの白鳥の歌だ。楽想は長調なのに、悲しい。「白鳥は 悲しからずや 空の青 海の青にも 染まずただよう」・・・とでも云っているか。この世への別れでも歌っているか。
プリンツのクラリネットの、低音のはかないまでの美しさは、滅びようとする美を象徴しているかのよう。素晴らしい。

VPOの伴奏も美しさの限りで、トゥッティの揃い方、その美は絶品。純白の響き。

第3楽章はロンド~アレグロ。
プリンツは、飾り気のない素直なアプローチで聴かせる。厳格なまでの古典的な美しさ。移ろいゆく旋律と和音の美しさは、格別と思う。
名品であります。

録音は、1970年代としては標準的なもの。
今の耳で聴くと、やや平板、ペタッとした感じの音響で、もう少し奥行きが欲しいかな。弦楽の潤いももう少しあればと思いますが、これ欲深ですかね。


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